適応障害で仕事が続かない原因は?仕事を続けるための対処法について解説

更新日 2026年02月15日

blog_image

「適応障害のせいで仕事が続かないのでは」と悩む方は少なくありません。

真面目に頑張ってきた人ほど、「自分の努力が足りない」「甘えているだけでは」と自分を責めてしまいがちです。

しかし、適応障害によって仕事が続かなくなるのは、決して気合いや根性の問題ではありません。

この記事では、適応障害で仕事が続かない原因について詳しく解説します。

適応障害のよくある症状や無理なく働くための選択肢、向いている仕事などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

適応障害とは

適応障害とは、はっきりしたストレスの原因がきっかけとなり、気分や行動などに不調が表れる状態です。

仕事や学校、人間関係、環境の変化など、本人にとって負担の大きい出来事に直面したあと、比較的短い期間で症状が出る点が大きな特徴です。

ストレスとなる出来事が起きてから3か月以内に変化がみられ、日常生活や仕事・学業に影響が及ぶことがあります。

症状は一つに限らず、気分の落ち込みや不安、イライラしやすさといった心の変化に加え、眠れない、疲れやすい、食欲が変わるなどの体の不調が重なることもあります。

また、集中力が続かず作業効率が下がったり、人付き合いを避けるようになったりと、行動面に変化が出るケースも少なくありません。

これらは本人の性格や努力不足によるものではなく、強いストレスに対する反応として起こるものです。

特徴的なのは、原因となるストレスが明確であること、そしてその原因から離れたり軽減されたりすると、時間の経過とともに症状が和らいでいく傾向があることです。

例えば職場が強いストレス源となっている場合、休職や配置転換などで環境が変わると、少しずつ楽になることがあります。

適応障害について|タイプごとの特徴・発症の原因・予兆・治療法などを詳しく解説

適応障害の主な症状と仕事が続かない理由

適応障害の主な症状は以下の通りです。

  • 思考力や集中力の低下
  • 感情が不安定になる
  • 意欲が失われる
  • 頭痛や吐き気などの身体的な症状
  • 行動面の変化

上記のような症状があると、結果として「働き続けるのがつらい」「仕事が続かない」と感じやすくなります。

ここでは上記の症状と仕事が続かない理由について解説します。

思考力や集中力の低下

適応障害では、思考力や集中力が落ちることがあり、これが仕事の継続を難しくする大きな要因になります。

以前は問題なくこなせていた業務でも、注意が続かずにケアレスミスが増えたり、指示の内容が頭に入りにくくなったりします。

資料を読んでも内容が理解しづらい、会話に集中できないと感じる人も少なくありません。

その結果、「自分は仕事ができなくなったのではないか」と自信を失いやすくなります。

この負担が積み重なることで、「これ以上続けられない」と感じてしまうケースもあります。

感情が不安定になる

感情が不安定になることも、適応障害で仕事が続かなくなる理由の一つです。

些細なことで強い不安を感じる、急に涙が出る、イライラしやすくなるなど、気持ちをコントロールしづらくなります。

感情が不安定になると、上司や同僚とのやり取りがストレスになり、誤解や衝突が起こりやすくなる場合もあります。

「普通に振る舞えない自分」を責めてしまい、さらに気持ちが落ち込むことも少なくありません。

このような状態が続くことで出勤前から強い不安を感じ、仕事に向かうこと自体がつらくなってしまうのです。

意欲が失われる

適応障害では、仕事に対する意欲が大きく低下することがあります。

以前は目標を持って取り組めていた業務でも、「何のためにやっているのかわからない」「始める気力が出ない」と感じるようになります。

これは怠けているわけではなく、強いストレスによって心のエネルギーが消耗している状態です。

意欲が湧かないまま仕事を続けようとすると、無理に自分を動かす必要があり、さらに疲れやすくなります。

このような状態が長引くと、休職や退職を考えるようになることもあり、仕事が続かない理由につながっていきます。

頭痛や吐き気などの身体的な症状

適応障害では、頭痛や吐き気、倦怠感などの身体的な症状が表れることがあります。

強い緊張や不安が続くことで、睡眠の質が下がったり、食欲が乱れたりすることもあります。

朝起きた時点ですでに疲れている、出勤前に体調が悪くなるといった訴えも珍しくありません。

これらの身体的な不調は、周囲から理解されにくいことが多く、「気のせい」と思われてしまう場合もあります。

しかし、実際には出勤や業務をこなすのが難しいほどつらい症状です。

体調不良が続くことで欠勤が増え、さらに職場に行きづらくなるケースもあります。

行動面の変化

適応障害では、行動にもはっきりとした変化が出ることがあります。

仕事への積極性がなくなり、必要最低限の対応しかできなくなったり、人との関わりを避けるようになったりします。

連絡を取ること自体に強い緊張を感じ、電話やメールを見るのが怖くなってしまうケースも少なくありません。

症状が強くなると、遅刻や欠勤が増え、最終的には職場に行くこと自体が大きな負担になります。

このような行動の変化が重なることで、仕事を続けることが現実的に難しくなってしまうのです。

適応障害を抱えながら仕事を続けるには

適応障害を抱えながら仕事を続けるための選択肢として、以下の4つが挙げられます。

  • 休職を検討する
  • 環境調整を求める
  • 退職・転職を検討する
  • 公的支援制度を活用する

ここでは上記4つの選択肢についてそれぞれ解説します。

休職を検討する

休職は心身の回復を優先する選択肢です。

適応障害の症状が強い状態で働き続けると、回復が遅れたり、別の不調につながることがあります。

一定期間仕事から離れ、生活リズムを整えながら治療に集中することで、気持ちや体調が落ち着いてくるケースも少なくありません。

休職中は心身を休めるだけでなく、これまでの働き方を振り返り、自分にとって負担になりやすい要因を整理する時間としても活用できます。

一方で、復職のタイミングや復帰後の働き方に悩むこともあるため、自己判断で決めず、主治医や職場と相談しながら進めることが大切です。

環境調整を求める

今の職場で続けたい場合は、上司に環境調整について相談することも重要です。

環境調整とは、業務内容や働き方を見直し、心身への負担を減らす工夫をすることを指します。

例えば、業務量を減らす、期限に余裕を持たせてもらう、対人対応の多い仕事を一時的に外してもらうなどが挙げられるでしょう。

時短勤務や在宅勤務が可能な職場であれば、体調に合わせた働き方を選べる場合もあります。

会社によっては産業医や人事担当が間に入り、調整をサポートしてくれることもあります。

無理のない環境が整えば、仕事を続けられる可能性が高まるでしょう。

退職・転職を検討する

どうしても今の職場が合わない場合には、退職や転職も有効な選択肢の一つです。

強いストレスの原因が職場にあり、それを変えることが難しい場合には、無理にとどまると症状が悪化することもあります。

転職を考える際は、業務量が適切か、コミュニケーションの負担が少ないか、働き方に柔軟性があるかなど、自分に合う条件を整理することが大切です。

焦って決めるのではなく、主治医と相談しながら、無理のないペースで進めましょう。

公的支援制度を活用する

公的支援制度を活用することで、治療と生活の両立がしやすくなります。

適応障害では、医療費や生活費に関する不安がストレスになることもあります。

そのような場合は、医療費の負担を軽減する制度や障害年金の利用を検討すると良いでしょう。

条件や手続き方法は制度ごとに異なるため、自己判断せず、専門家に相談することが大切です。

各地域の相談窓口では、制度の説明や手続きの流れについての案内を受けられます。

まずは主治医や相談機関に、利用できる制度があるか確認してみると良いでしょう。

適応障害に向いている仕事の特徴

適応障害がある場合は、仕事の内容や働き方によって負担の感じ方が大きく変わります。

強いプレッシャーや人間関係のストレスが続く環境では、症状が悪化しやすく、仕事を続けること自体がつらくなってしまう場合が多いです。

そのため、適応障害で仕事を続けるには、以下のようなポイントを押さえて仕事を選ぶのもおすすめです。

  • 決まったルーティンを繰り返す仕事
  • コミュニケーションの少ない仕事
  • 在宅勤務が可能な仕事

ここでは上記3つの仕事の特徴についてそれぞれ解説します。

決まったルーティンを繰り返す仕事

毎日の流れが決まっている仕事は精神的な負担が比較的少ないため、適応障害の方に向いています。

業務内容があらかじめ決まっており、同じ作業を繰り返す仕事は、先の見通しが立てやすい特徴があるためです。

「次に何をすればいいかわからない」といった不安が起こりにくく、安心して作業に取り組めます。

例えば事務作業やデータ入力のように手順が決まっている仕事は、自分のペースで進めやすい傾向があります。

慣れてくると作業に集中しやすくなり、達成感も得やすいでしょう。

無理にスピードや成果を求められにくい環境であれば、安定して働き続けやすくなります。

コミュニケーションの少ない仕事

人とのやりとりにストレスを感じやすい場合は、コミュニケーションの少ない仕事を検討してみましょう。

適応障害の症状があると、会話や気配りそのものが大きな負担になることがあります。

一人で進められる業務内容が中心であれば、仕事に集中しやすくなるでしょう。

パソコンを使った作業やものづくり、クリエイター、エンジニア系などの仕事は、必要最低限の連絡だけで進められる場合があります。

人間関係に神経を使いすぎずに済むため、仕事以外のストレスが増えにくい点がメリットです。

在宅勤務が可能な仕事

在宅勤務が可能な仕事は、通勤や職場環境による負担を減らせる点が大きなメリットです。

通勤時間や満員電車は想像以上に体力や気力を消耗しますが、在宅で働ければその負担がなくなります。

また、在宅勤務は休憩の取り方や作業時間を調整しやすく、体調に合わせた働き方ができます。

集中できる時間帯に仕事を進め、つらいときは無理をしないといった選択も取りやすくなるでしょう。

適応障害を抱えながら仕事を続ける場合は、このような柔軟性の高い仕事を選ぶのもおすすめです。

適応障害を抱えながら仕事を続けるときの注意点

適応障害があっても、注意点を押さえれば仕事を続けやすくなります。

具体的な注意点は以下の通りです。

  • 適応障害であることを職場の人に伝える
  • 無理をしすぎない

ここでは上記2つの注意点についてそれぞれ解説します。

適応障害であることを職場の人に伝える

周囲から適切なサポートを受けるためには、適応障害であることを職場に伝えておくことが大切です。

精神的な不調は外から分かりにくく、「元気そうに見えるのに、なぜできないのか」と誤解されやすい面があります。

あらかじめ体調や症状の特徴を伝えておくことで、業務量の調整や働き方の配慮を受けやすくなります。

また、伝える相手は上司や人事担当など、信頼できる人を選ぶのがおすすめです。

その際は病名だけでなく「どんな場面でつらくなりやすいか」「どういう配慮があると助かるか」を具体的に伝えると、理解を得やすくなります。

早めに共有しておくことで、症状が悪化する前にサポートを受けやすくなるでしょう。

無理をしすぎない

仕事を続けるうえで特に重要なポイントは、無理をしすぎないことです。

適応障害は強いストレスが続くことで症状が悪化しやすいため、「まだ大丈夫」と我慢を重ねると症状悪化につながる恐れがあります。

疲れを感じたら早めに休む、体調が悪い日は業務量を減らすなど、自分の体調やメンタルを優先する意識が必要です。

また、仕事以外の時間の過ごし方も大切です。

十分な睡眠をとる、ゆっくり過ごす時間を作る、信頼できる人に話を聞いてもらうなど、定期的にストレスを発散するようにしましょう。

適応障害で仕事を続けるには周囲の理解と適切なサポートが大切

適応障害を抱えながら働く場合は、休職や環境調整、退職・転職といった選択肢を視野に入れ、主治医と相談しながら進めることが大切です。

職場のストレス要因が改善されない場合には、適応障害に合った仕事を選ぶのも良いでしょう。

決まったルーティンの仕事やコミュニケーションの少ない仕事、在宅勤務が可能な仕事であれば、適応障害の方でも続けやすくなります。

かもみーる』では、オンライン診療・カウンセリングサービスを提供しています。

「職場の人間関係で疲弊している」「仕事に行くのがつらい」といったお悩みにも対応しているため、お悩みの方はぜひ気軽にご相談ください。

カウンセラー(医師・心理士)一覧はこちら

新規会員登録はこちら