将来が不安でたまらないのは病気?うつ病や不安障害との関係・対処法を解説

更新日 2026年02月27日

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「将来が不安でたまらない」
「将来が不安で今を楽しめない」
「未来のことを考えるとそわそわして落ち着かなくなる」

将来のことを思うと、なんとなく不安な気持ちになることがあります。

何が起こるのか分からない未来に対する不安は多くの人に共通するものであり、特に仕事や学校、家庭などで環境変化が起こるタイミングでは、特に強く感じることもあるでしょう。

「不安」を感じること自体は自然なことですが、強い不安によって日常生活に影響が出ている場合は、早めに対処を始めた方がいいかもしれません。

この記事では、「不安」とはどのようなものか、病気との関係、考えられる病気、対処法などについて詳しく解説します。

「不安」は生きていくうえで必要な機能

「不安」はネガティブなイメージを持たれがちな感情で、できるならばなくしたいと思う人も多いでしょう。

しかし、「不安」という感情自体は、脳が危険を察知して身を守ろうとする「防衛システム」であり、人が生き延びるために備わった重要な機能です。

不安があるからこそ、危険を避けたり、先に備えたりする行動が取れます。例えば、仕事のミスが心配で確認を重ねる、健康が気になるから生活を見直すなどです。

とはいえ、不安が強すぎると、心や身体に不調として現れ、生活に支障が出てしまうことがあります。

将来への不安でつらいときは、不安を完全になくそうとするのではなく、「不安とどう向き合っていくか」を考えてみましょう。

不安を感じる仕組み・メカニズム

不安に深く関わっているのが、危険を察知する役割をもつ扁桃体と、物事を理性的に判断する前頭前野です。

扁桃体の活動が過剰になると、強い不安が起こります。普段は前頭前野が感情や思考をコントロールしていますが、強い不安やストレスがかかると、その働きが弱まり、扁桃体が優位になります。

すると、状況を冷静に判断することが難しくなり、実際の危険度以上に「危険だ」「何とかしなければならない」と感じやすくなって、不安や考えすぎといった行動につながることがあるのです。

また、不安が大きくなると、身体の機能をコントロールしている自律神経のバランスが乱れ、心や身体にさまざまな症状が起こることがあります。

これらの症状がさらに不安を生み出し、悪循環に陥ってしまうリスクもあるでしょう。

過度な不安と病気の関係

将来への不安自体は、多くの人が長い人生の中で一度は経験することであり、決して特別なことではありません。

仕事や学校、家庭のことなど、先のことがはっきり見えないからこそ、「大丈夫だろうか」と考えるのは自然な反応です。

しかし、不安が強すぎたり、長期間続いたりする場合は、なんらかの病気が関係している可能性があります。

また、慢性的な不安が、うつ病のような病気を引き起こしてしまうこともあります。

ここでは、過度な不安と病気の関係について詳しく見ていきましょう。

将来への不安からうつ病になることはある?

将来への不安が慢性的に強い状態が続くと、心にかかる負担が大きくなり、抑うつ状態やうつ病につながることがあります。

例えば厚生労働省の『こころもメンテしよう』では、将来への悩みからうつになった方の体験談が紹介されています。

調子が悪くなったのは高2のころ。自分が将来、何をすべきかがわからなくて悩むようになったんです。このままでいいわけない、と思うんだけど、だからって、どうすればいいかもわからない。同じ軌道をぐるぐる回ってるだけで、一向に出口が見えなかった。
そのうちに、だんだんむなしくなってきて、何もできなくなっていったんです。

いわゆる、うつってやつです。高校には何とか通ってたけど、授業が耳に入らないし、くだらない話で盛りあがっている同級生を見ては「アホか」って。相変わらず3人でつるんではいたけど、彼らとも温度差を感じるようになっていった。

出典:厚生労働省『こころもメンテしよう

ただし、不安を感じたからといって、すぐにうつ病になるわけではありません。

不安が長期間続き、強いストレス状態が慢性化することで、気分の落ち込みや意欲低下が目立つようになります。

うつ病になっても、初期段階のうちから適切な治療を始めれば、重症化を防ぎ、回復までの期間を短縮できるケースが多いです。

「まだ頑張れる」「もう少し様子を見よう」と先延ばしにすると、症状が悪化してしまう可能性があるため、我慢しすぎずに一度相談を検討してみましょう。

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将来が不安で仕方ないのは病気?

「将来が不安で仕方ない」と感じるのが、例えば仕事のミスが原因であったり、一時的なものである場合は、病的なものではなく、ゆっくり休息することで回復するかもしれません。

しかし、「ずっと不安で心が休まらない」「日常生活に支障が出ている」「外出や人付き合いを避けるようになった」などの場合は、なんらかの病気が影響している可能性も考えられます。

心の症状は目に見えないため、自己判断は難しいものです。

「病気かどうか」で白黒つけるより、「今の状態がつらいかどうか」を基準に考え、つらいときは医師やカウンセラーへの相談を検討しましょう。

目安として、不安や気分の落ち込みといった症状が2週間以上続く場合は、一度専門家への相談を検討することが大切です。

過度な不安があるときに考えられる病気

将来への不安が非常に強く、日常生活に大きな影響が出ている場合、不安障害などの病気が影響しているかもしれません。

ここでは、過度な不安が見られる主な病気を紹介します。

社会不安障害(社交不安障害)

社会不安障害は、人前での行動や他人からの評価に対して、強い不安や恐怖を感じる状態が続く病気です。

将来に対する不安としては、例えば「失敗したらどう思われるか」「評価を下げて将来が台無しになるのではないか」といった考えが繰り返し浮かびます。

社会不安障害では、不安が起こりそうな場面を回避する「回避行動」が見られることも特徴です。

会議や発表、初対面の人との交流を避けるようになり、仕事や生活に支障をきたしてしまいます。

不安の程度が強い場合、動悸や震え、発汗などの身体症状が出ることもあります。

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全般性不安障害

全般性不安障害は、漠然とした不安が続くことが特徴です。

特定の出来事に限らず、将来のこと、仕事や健康など、さまざまな日常生活の出来事を過剰に心配し続けてしまいます。

心配性とは異なり、不安を抑えようとしても難しく、自分でも心配しすぎだと分かっていて止められない点が大きな特徴です。

そわそわ落ち着かない、不眠、めまい、肩こりといった症状が見られることもあります。

パニック障害

パニック障害では、突然強い不安や恐怖が高まり、動悸や息苦しさ、めまいなどの発作が起こります。

「また発作が起きたらどうしよう」と未来のことが不安で仕方なくなる「予期不安」が特徴の一つです。

パニック発作自体は命に関わるものではないものの、体験の強烈さが予期不安につながり、外出や人混みを避けるようになることもあります。

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強迫性障害

強迫性障害は、自分でもおかしいと思いつつも、不安を打ち消すための考え(強迫観念)や行動(強迫行為)を繰り返してしまう状態です。

強迫性障害には、何度も手を洗う(不潔恐怖)、手順を守らないと悪いことが起こると考えやり方に強くこだわる(儀式行為)、戸締まりを過剰に確認する(確認行為)などさまざまな症状があります。

また、「自分が誰かを傷つけてしまうのではないか」「これから何か重大な犯罪を犯してしまうのではないか」という強い不安を抱くこともあります。(加害恐怖)

自分でも過剰だとわかっていながらも、頭から離れず、制御が難しい状態です。

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将来への不安を引き起こしやすい原因・状況

経済的な問題や健康への不安、人間関係の悩みを抱えていると、それが将来への不安につながることがあります。

また、「完璧主義」といった考え方や、「過去のトラウマやつらい経験」といった過去の出来事が影響している可能性も考えられるでしょう。

「失敗してはいけない」「常に正しい選択をしなければならない」と考えるほど、先のわからない未来が不安になり、ネガティブな考えばかりが浮かぶようになります。

失敗や傷ついた体験から「また同じことが起きるかもしれない」という悪い予測につながってしまうこともあります。

将来が不安で仕方なくなったときの対処法

ここでは、日常生活の中で実践しやすい対処法を紹介します。

すべてやろうとする必要はないため、始めやすいもの、自分に合うものから挑戦してみてください。

「今ここ」に集中する

不安を感じるとき、心が「現在」ではなく「過去の後悔」や「未来の予測(将来への不安)」に向いています。

人の身体は常に現在にしか存在しませんが、思考だけが過去や未来にいる状態です。

過去のことは変えられず、未来のことは誰もわからないため、この状態が続くと現実以上に不安が膨らんでしまいます。

「今ここ」に集中するとは、思考から抜け出し、過去や未来ではなく、現在の感覚や行動に意識を戻す行為です。

例えば、呼吸の感覚に注意を向けたり、目の前の作業を一つずつ丁寧に行ったりするだけでも、今ここに集中でき、不安が軽減されていきます。

不安な思考が浮かんでも無理に消そうとせず、「考えているな」とそのまま流れに任せるイメージで行うのがポイントです。

不安について書き出す

簡単にできて効果的なのが、不安についてノートやメモに書き出す方法です。

漠然とした不安を言葉にすることで、「今、具体的にどんな心配があるのか」「どのように対処できそうか」と、一度立ち止まって考えられるようになります。

頭の中だけにある不安は輪郭が曖昧なため、実際以上に大きく膨らみがちです。

書き出すことで不安の正体が明確になり、それぞれを切り分けて冷静に向き合えるようになるでしょう。

考え方のクセを振り返ってみる

無意識に習慣化した「考え方のクセ」が、不安を増幅させている可能性もあります。

例えば、根拠なく悪い方向に考える「深読み思考」、成功か失敗かで判断する「白黒思考」、自分を追い詰める「べき思考」などです。

また、少ない経験をすべてに当てはめる「過度の一般化」や、無関係のことまで自分に結びつける「自己関連づけ」も、不安を強めることがあります。

不安が膨らみそうになったときは、「これは事実か、それとも考え方のクセか」と一度立ち止まって振り返ることで、不安な思考から距離を取りやすくなるでしょう。

小さな成功体験を少しずつ蓄積する

将来が不安なときは、「自分にはできない」という感覚が強くなる傾向があるため、大きな目標に向かうのは大きなプレッシャーになります。

まずは、簡単にできる小さなことからチャレンジしてみましょう。

例えば「カーテンを開ける」「家の周りを5分だけ散歩する」といった行動でも、達成できた事実を積み重ねることで、自分への信頼感が少しずつ回復していきます。

誰かに自分の気持ちを打ち明ける

不安を一人で抱え続けると、考えが堂々巡りしてしまいがちです。

信頼できる人に気持ちを話すことで、不安を整理でき、自分では気づけなかった視点のアイデアやアドバイスがもらえることもあるでしょう。

解決策につながらなくても、「話すだけ」で気持ちが軽くなることもあります。

周囲の人には話しにくい場合は、医師やカウンセラーに相談するのも選択肢です。

精神科・心療内科では、カウンセリングや認知行動療法といった「心理療法」をメインに、症状が強い場合は「薬物療法」を併用するなど、回復を目指すための治療ができます。

カウンセリングは、日本では未だに敷居が高い印象を持たれがちですが、欧米をはじめとする海外では、「心の調子を整えるための日常的なサービス」として一般的です。

将来が不安でつらいなら専門家に相談してみよう

将来の不安を感じること自体は珍しいことではないものの、「不安で今が楽しめない」「特定のことばかりを考え続けてしまう」といった状態が続くと、心や身体の不調につながります。

つらさを共有することは弱さではありません。

不安は我慢すれば消えるものではなく、放置することでさらに強まることもあるため、無理せず一度相談を検討してみましょう。

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