自律神経失調症はどんな状態?チェックリストや診断方法も紹介

更新日 2026年01月16日

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自律神経失調症と聞くと、病名として強く受け止めてしまい、精神病やうつ病になるかもしれないと、不安を募らせてしまう方も少なくありません。

体調の変化や気分の波に振り回されて、自分のせいだと考える方もいますが、心と身体の調整が上手くいかない時期なのかもしれません。

この記事では、自律神経失調症の症状一覧やどのようなタイプがあるのか、セルフチェックリスト、診断・治療などについて詳しく解説します。

自律神経失調症のセルフチェックがしたい方、診断や直し方について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

自律神経失調症とは

自律神経失調症は、医学的な病名というより、複数の症状が組み合わさって現れている状態を説明する総称として使用されます。

身体と心のどちらにも影響が出るのが特徴で、原因は複数あると考えられています。

自律神経失調症の定義

自律神経失調症とは、自律神経の調整機能が上手く働かないことで、身体と心のさまざまな不調が同時に現れる状態を指す言葉です。

自律神経は、交感神経と副交感神経で構成され、活動と休息のバランスを保ちながら身体の働きを自動的に調整しています。

しかし、このバランスが乱れて切り替えが滞ると、心身のさまざまに変化が出てきます。

医学的には、複数の症状が併発している状態を表現するための概念として扱われることが多いです。

本人の性格や気の持ちようなどではなく、心身が負荷を受けた結果、調節を担う自律神経のバランスが崩れた反応とされています。

自律神経の乱れとの違いは?

自律神経失調症と自律神経の乱れは、似た表現ですが、厳密に言うと範囲が異なります。

自律神経の乱れは、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかず、心身の調整に負荷がかかった状態を指す、比較的広い概念です。

一方、自律神経失調症は、その乱れが長期化し、多方面に症状が現れ続けている状態を指します。

つまり、自律神経の乱れが長期間続いた結果、自律神経失調症と呼ばれる関係です。

自律神経失調症の症状

自律神経失調症は、身体と心の両方に症状が現れることが多く、種類もひとつだけではありません。

日によって不調の内容が異なることもあり、原因がわからないことで不安を抱える方もいます。

身体症状

自律神経失調症では、身体に現れる変化が自覚できるほどはっきりしている場合もあります。

  • 慢性的な疲労感や倦怠感
  • 肩・首・背中のこわばり
  • 頭痛
  • 吐き気
  • めまい(立ちくらみ)
  • しびれ
  • ふらつき
  • 動悸や息苦しさ
  • 胸の圧迫感
  • 冷え
  • ほてり
  • 食欲不振・増進
  • 胃腸の不調
  • 便通の乱れ
  • 発汗量の増減
  • 睡眠の質の低下・不眠

自律神経の症状はひとつだけでなく、複数同時に現れることが多く、長期間続くのが特徴です。

また、原因がはっきりせず、なんとなく身体が重い、ゾワゾワするなどの違和感がある方もいて、症状は人それぞれ異なります。

めまいがひどい、歩けない、動けないなどの状態が続くと日常生活にも支障をきたすため、専門機関の受診を検討しましょう。

精神症状

自律神経失調症は、感情や思考にも影響するため、精神面の変化が現れる方もいます。

  • 気分が落ち込みやすくなる
  • イライラ・焦りが強くなる
  • 集中が続かない
  • 興味や楽しさを感じにくい
  • 不安感がある
  • 考えすぎて眠れない
  • 物事を悲観的に受け取ってしまう
  • 感情の切り替えに時間がかかる

精神症状は、性格や捉え方、気持ちの問題ではありません。

自律神経の乱れにより、調整が追いつかずに気分にも揺らぎが出ているだけで、本来の自分が変わっているわけではないのです。

精神症状については、こちらの記事も参考にしてみてください。

気分が落ち込むのは病気のせい?原因や対処法を紹介

無気力から抜け出すには?今日から試せる6つの対処法

男性に多い症状

男性の場合は、自律神経失調症のサインを身体の違和感として自覚することが多いです。

しかし、自律神経の乱れによる症状だと気づかず、身体の不調だけだと見逃してしまいがちです。

そのため、女性と比較すると、男性の相談や治療は少ない傾向があります。

また、男性ホルモンであるテストステロンが低下し、意欲の減退や性機能の変化として現れる場合もあります。

男性更年期はテストステロンの減少が主な原因ですが、加齢だけでなくストレスも影響を及ぼし、自律神経の乱れが合併していることも多いです。

自律神経失調症のタイプ

自律神経失調症は、ひとつの原因により起こるのではなく、心身の反応や背景の違いによって負荷のかかり方が変わります。

それぞれ異なるパターンとして捉えられ、医学的な名称ではありませんが、主に4つの型に分類されます。

本態性型

本態性型は、体質的に外部刺激の影響が自律神経へ届きやすいタイプを指します。

気温や湿度の変化、冷え、疲労、季節など、身体が環境を調整する機会が多くなるほど、自律神経が休む時間を取りにくくなります。

自律神経が無意識下で調整してくれる体温・血圧・呼吸などの働きに負荷が重なり、コンディションの波が現れやすくなる状態です。

本態性型は、低血圧や体力不足などの方によく見られ、生活習慣の見直しにより改善する可能性があるのも特徴です。

神経症型

神経症型は、思考や不安、緊張といった心理的負荷が長期間続き、交感神経の働きが優位になりやすいタイプです。

副交感神経が担当する休息への切り替えが行われにくく、緊張モードが続いてしまいます。

身体よりも思考の疲れが先に蓄積し、睡眠で回復しきれず、自律神経の負担につながります。

感受性が豊かな方がなりやすく、精神的なストレスが身体に影響するため、心に負担をかけないように意識しましょう。

心身症型

心身症型は、感情の揺れが自律神経の反応に反映されるタイプです。

ストレスや気持ちの負荷が高まると、交感神経が急激に働き、消化器や呼吸、筋緊張など、身体の機能が反応を示します。

本来なら心と身体の変化は別々に処理されますが、この型では同時進行し、体調の変化によりさらに心理面の負担が増えるケースが多いです。

真面目さや責任感の強さを持つ方ほど起こりやすく、頑張り続ける期間が長いと自律神経が緊張し続けてしまうため注意が必要です。

抑うつ型

抑うつ型は、意欲や興味・気力の低下により、副交感神経の働きが弱まり、自律神経のバランスが崩れるタイプです。

心身症型から進行し、ストレスの蓄積から抑うつ型になるケースもあります。

気力の低下は身体のリズムにも影響し、睡眠・食欲・体温調整・集中力などの調整が不安定になります。

疲れているのに休めないような感覚が続くことで、身体の回復プロセスが機能しにくくなり、心身への影響が現れるのが特徴です。

自律神経失調症のセルフチェックリスト

自律神経失調症は症状の幅が広く、自覚しにくい場合があります。

いつもと違うと感じたタイミングでセルフチェックを行うことで、自分の心身の変化に気づくきっかけにもなります。

以下は、身体・心・生活・行動に現れやすいサインです。

身体の状態

・寝ても疲れが抜けない

・頭痛、肩こり、背中、首などのこわばりが続く

・めまいや立ちくらみがある

・胃腸の調子が乱れやすい

・動悸が気になる

・冷えやほてりがある

・手足のしびれがある

・体温調節が上手くいかない

・季節や天候の変化が体調に影響している

・便秘、下痢をしやすい

・身体が重い日が続く

・食欲がなくなった

心の状態

・気力が湧かない

・物事が楽しめない

・気分の浮き沈みが大きい

・些細なことで心が揺れやすい

・イライラしやすくなった

・集中力が途切れがち

・考えすぎてしまう

・人と話すのが負担

・以前より刺激(音・光・人混みなど)が辛い

・気持ちの重さが長く続く

生活・行動

・睡眠リズムが一定しない

・外出のハードルが高いと感じる

・食事時間が不規則になる

・疲れているのに休む行動に移れない

・やりたいことが思い浮かばない

・先延ばしが増えた

・人付き合いを控えてしまう

これらの項目に複数該当する場合、自律神経の調整機能に負担がかかっている可能性があるため、精神科や心療内科への受診を検討しましょう。

自律神経失調症の診断

自律神経失調症の診断では、ひとつの検査だけで結論付けず、心と身体の変化がどのような経過で続いてきたのかを丁寧に確認します。

他の疾患との関連も踏まえて、全体像を整理するために診察が行われます。

問診で症状の経過を確認する

問診では、どの症状がいつ頃から始まり、どのくらいの期間続いているのか、環境の変化があったかなど、医師による聞き取りを行います。

症状の強さだけでなく、変化の度合いや心身の疲れ方の傾向など、必要に応じて確認していきます。

検査だけではわからないような、本人の体感が判断材料としても重要です。

上手く話そうとする必要はなく、感じている状況をそのまま伝えましょう。

検査・身体評価

問診と並行して、身体の状態を確かめるための検査が行われます。

血液検査や心電図、血圧測定、甲状腺機能の確認など、医師の判断により検査内容は異なります。

別の病気が隠れていないかを見極めるためでもあり、不調の原因を探すためにも大切な検査です。

必要に応じて、自律神経の働きを数値としてみる自律神経機能検査が行われることもあります。

自律神経機能検査とは、心電図から心拍変動(HRV)を測定して、交感神経と副交感神経のバランスを見る検査です。

また、姿勢や呼吸の状態、筋肉の緊張度などの身体評価を行い、心身の負担の経過を確認することもあります。

他の疾患との鑑別

自律神経失調症と似た症状を示す疾患は多く、鑑別に注意が必要です。

例えば、甲状腺疾患、更年期障害、心疾患、消化器疾患、睡眠障害、うつ病、不安障害、パニック障害、気分障害、栄養不足などが挙げられます。

症状が幅広いからこそ、さまざまな病気の可能性を視野に入れて、慎重に判断することが大切です。

自律神経失調症の治療

自律神経失調症の治療は、症状の重さだけで決まるものではなく、心身の負担状況や生活環境などを考慮して選択されます。

さまざまな治療法がありますが、必要に応じて組み合わせることもあります。

薬物療法

薬物療法は、心身の調節機能にかかる負担を軽くして、生活を送りやすくする治療です。

症状の中心がどこにあるのかにより、処方される薬は異なります。

  • 不安感や緊張が続くタイプ:抗不安薬
  • 意欲低下や落ち込みが中心のタイプ:抗うつ薬
  • 睡眠が疲労蓄積の原因になっているタイプ:睡眠薬
  • 自律神経の調整にアプローチする場合:自律神経調整薬

他にも、吐き気や胃腸の不調など、症状に合わせて適した薬が処方されることがあります。

理学療法

理学療法は、身体のこわばりや姿勢、呼吸の乱れを整えることで、自律神経の働きを妨げている身体面の負担を取り除く治療です。

身体が警戒モードのまま固定されると、休息への切り替えが難しくなるため、休息できるように働きかけます。

ストレッチや姿勢調整、呼吸訓練、関節可動域訓練などが、必要に応じて行われます。

慢性的な疲労が抜けなかったり、緊張し続けている感覚があったりする方に選択されることが多いです。

漢方薬

漢方薬は、心身のバランスの崩れ方をもとに、改善のための処方が行われます。

  • ホルモンバランスを整える:加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 不安やイライラ:抑肝散(よくかんさん)
  • 動悸やめまい、不眠:柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
  • 神経の高ぶりや消耗:桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

これらはあくまで一例であり、症状や体質、状態などに応じて適切な漢方薬は異なるため、医師の指示に従いましょう。

漢方薬は今の心身の状態を整える方法のひとつであり、他の治療と併用されることも多いです。

カウンセリング

カウンセリングは、心理的な負担が自律神経に影響している場合に行う治療です。

心の緊張が続くと、交感神経が過度に働き、休息との切り替えが難しくなり、身体機能の乱れにつながることがあります。

カウンセリングでは、感情や人間関係、ストレスとの付き合い方、優先順位の組み立てなどを扱います。

心理面が整うことで身体面の回復の促しにつながることもあるため、自律神経失調症の他の治療と並行して行うことが多いです。

心理療法

心理療法は、自律神経の乱れに影響している思考や感情、行動パターンを把握して、反応の選択肢を増やすのが目的です。

代表的なのは、認知行動療法(CBT)で、考え方や受け取り方のクセを修正するための治療です。

他にも、今ここにいる自分に集中する訓練であるマインドフルネスなどが用いられることもあります。

内容や組み合わせは人それぞれ異なりますが、心理的な負荷を軽減し、辛さのパターンを可視化するために行われます。

自律神経失調症は症状に合わせて治療を組み合わせる

自律神経失調症は、体質やストレス、生活環境、心理的要因などの複数の要因が重なり、自律神経のバランスが乱れることで症状が現れます。

人それぞれ出方は異なるため、どのような治療法が適しているかも違います。

つらい症状を我慢するだけではなく、心と身体の両面から負荷を減らすアプローチができるように、医師とよく相談しながら治療を進めましょう。

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