自律神経の乱れとは?主な症状や原因、対処法などを紹介

更新日 2026年01月16日

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体調が優れないのに、検査では異常がなく原因がわからないまま不安を抱えてはいませんか?

頭痛や動悸、めまいなど、さまざまな症状により、なんとなく調子がおかしいと感じていたら、自律神経が乱れているのかもしれません。

この記事では、自律神経の乱れの仕組みや主な症状、対処法などを詳しく解説します。

何かの病気かもしれないと不安な方、体調不良の原因を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

自律神経の乱れとは

自律神経は、身体のさまざまな働きを自動的に調整しています。

交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、身体や心の調子が不安定になりやすく、原因がわかりにくい不調が現れることがあります。

自律神経の役割

自律神経は、交感神経と副交感神経が切り替わりながら、身体の働きを整えています。

どちらかが強く働き続けたり、切り替えが上手くいかなかったりすると、身体と心のバランスが乱れやすくなります。

種類

特徴

優位になる場面

影響

交感神経

活動のための準備を整える

仕事・運動・緊張・ストレスを感じたとき

心拍上昇・血圧上昇・筋肉の緊張・呼吸数増加・集中が高まる

副交感神経

休息や回復の働きを担う

食事中・入浴中・睡眠前後・リラックス時

消化促進・呼吸の深まり・血圧低下・気持ちが落ち着く

自律神経は自分の意思で調節できるものではないため、精神力や努力ではコントロールできません。

自律神経の乱れが起こる仕組み

人は、日常のなかでストレスや刺激に触れるたびに、自律神経の切り替えが行われています。

通常は状況に応じて活動モードと休息モードが自然に入れ替わりますが、さまざまな要因が積み重なることで調整機能が乱れると不調が現れる仕組みです。

交感神経が優位な状態が続いて身体がずっと緊張したままになったり、副交感神経の働きが強まり動くこと自体が負担に感じられることもあります。

さらに、ストレスの刺激が繰り返されて、切り替えの回路に負担がかかり、体温や心拍、消化、睡眠など、複数の働きが乱れる可能性もあります。

自律神経の乱れによる症状

自律神経の乱れは、身体・心・行動のどこに出るか、人それぞれ異なります。

自分の変化には気づきにくいこともあるため、どのようなサインがあるのか知っておきましょう。

身体に現れる症状

身体に現れる症状としてよく見られるのは、以下のようなものです。

  • 頭痛
  • めまい
  • 息苦しさ
  • 動悸
  • 胃の不調
  • 下痢・便秘
  • のぼせ
  • 冷え
  • 手足の震え
  • だるさ
  • 睡眠の質の低下

自律神経により多くの臓器や器官の働きが調整されているため、複数の症状が同時に現れることもあります。

症状が日によって変わったり、波があったりするケースもあり、身体の変化を説明しにくいかもしれません。

身体の反応は、自律神経の切り替えがスムーズに働かないことで生じる負担が、表面化したものでもあります。

心の状態に現れる症状

心の状態に現れる症状は、以下のようなものが挙げられます。

  • 気分の落ち込み
  • 焦りや苛立ち
  • 不安が続く
  • 涙が出やすくなる
  • 集中しにくい
  • 思考がまとまらない
  • 気持ちの切り替えが難しい
  • 疲れを感じやすい

感情の波が一定でないことで、自分の変化に追いつけない感覚が生まれて、戸惑いや不安を抱えることもあります。

これらは甘えや気の持ちようでコントロールできるものではなく、自律神経の乱れにより感情や思考に影響が出ていると考えられます。

日常生活に現れる症状

日常生活に現れる症状は、以下のようなものがあります。

  • 集中力が続きにくい
  • 行動するまでに時間がかかる
  • 家事や仕事の負荷が大きく感じる
  • 外出が負担になる
  • 予定管理が難しい
  • 食欲の増減
  • 睡眠リズムの乱れ

体力や気力の波が乱れることで、行動に影響を与えるケースが見られます。

生活全体に強弱が出るため、本人にとっては大きな負担になることが多いです。

自律神経の乱れの主な原因

自律神経の乱れは、ひとつの原因だけでなく、複数の要素が積み重なることで調整が追い付かなくなることから起こります。

どのような原因が自律神経の乱れを引き起こしているのかは、人それぞれ異なります。

ストレス

ストレスは、自律神経に影響を与える要素のひとつです。

仕事や学校、人間関係、家庭環境、将来への不安など、人によってストレスを感じることは違います。

緊張や不安を感じる場面では、危険に備えるために交感神経が優位になり、反応を助けるためにストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。

短期間のストレスであれば、状況が落ち着くと副交感神経が働いてコルチゾールの分泌も治まるのが自然です。

しかし、ストレスが長引くと、交感神経が優位な状態が続き、コルチゾールが高い状態が慢性化して、自律神経の切り替えが難しくなる場合があります。

身体が休息モードにならず、疲れがなかなか取れなかったり、集中できなかったりする症状が現れることもあります。

一方、疲れが蓄積すると副交感神経が優位になりすぎ、気力の回復が遅れる可能性があるため注意が必要です。

ストレスは目に見えず、自覚が薄い段階から心と身体に影響を及ぼすことがあるため、抱え込んでしまうと不調につながるケースもあります。

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環境の変化

環境の変化は、自律神経の調整に影響を与えることがあります。

転居や就職、転職、結婚、出産、季節の変わり目など、ライフステージが変わるタイミングは自律神経が乱れやすいとされています。

新しい環境に適応しようとする過程で、心身に負担がかかっているかもしれません。

慣れない状況では情報量が多く、神経の切り替えが忙しくなるため、休息を取りにくくなることもあります。

良い出来事でも変化にはエネルギーが必要で、消耗が蓄積すると調節機能が追い付かなくなるのです。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れは、自律神経の働きと深く関わります。

例えば、睡眠不足や栄養の偏り、昼夜逆転、運動不足、過労などが挙げられます。

起床から行動、食事、休息のサイクルと神経の切り替えが連動しているため、リズムが不規則になると調整機能に負担がかかってしまうのです。

食事の時間が安定しない、睡眠リズムが崩れたなどで、疲れの回復が遅く感じられる場合もあります。

生活習慣の乱れは少しずつ影響し、体調の変化と結びつきにくいこともあり、気づかないうちに不調が続いていたケースもあります。

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ホルモンバランスの変化

ホルモンバランスの変化が大きい時期は、自律神経が影響を受けやすいとされています。

特に、女性の場合は排卵時や妊娠、出産、更年期障害などにより、ホルモンが変化する時期があります。

女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌変動が起こる時期に起こりやすいのが特徴です。

一方、男性の場合は、男性ホルモンであるテストステロンの低下により、活力や意欲の変化が現れるケースもあります。

ホルモンは体温や睡眠、感情、代謝など多くの働きに関わるため、心身の波が大きくなることもあるため注意が必要です。

性格や思考

性格や思考の傾向そのものが悪影響を及ぼすわけではありませんが、負荷の感じ方により自律神経に影響が出る場合があります。

例えば、責任感が強い方や迷惑をかけたくないと考える方は、休むより行動を優先する傾向があるため、交感神経の緊張状態が長引きやすいのです。

また、人に頼るのが苦手な方は、自分だけで抱え込む時間が増え、副交感神経による回復が不足することもあります。

負荷を蓄積しやすい思考のパターンを知ることで、不調の原因が自律神経の乱れの可能性があると考えるきっかけになるかもしれません。

自律神経の乱れの原因になることがある病気

自律神経の乱れは、特定の病気により引き起こされることもあります。

糖尿病では、長期間にわたる高血糖が神経に悪影響を及ぼし、自律神経が障害され、立ちくらみや消化不良、発汗の異常などが現れることがあります。

また、甲状腺ホルモンの過剰や不足によって、交感神経が刺激されて自律神経のバランスが乱れる場合があるため、注意が必要です。

甲状腺機能亢進症やバセドウ病では、自律神経の乱れと同様の症状がみられることもあります。。

このように、病気が原因で自律神経が乱れている場合には、内科的な治療やホルモンのコントロールなどの治療が必要です。

自律神経の乱れへの対処法

自律神経の乱れは、心身の調節機能が負荷を受けている状態です。

対処の仕方はひとつだけではなく、できる範囲で取り入れ、小さな工夫を積み重ねていくことで、回復につなげていきましょう。

生活リズムを整える

自律神経は、生活のリズムと深く関わっています。

決まった時間に起床する、食事の時間を大体同じにする、寝る前のスマートフォン操作を控えるなどを意識してリズムを整えてみましょう。

とはいえ、完璧に整えすぎるのは逆に負担になることもあるため、無理のない範囲で構いません。

睡眠だけ、食事だけなど、できる日だけ取り入れてみるのもひとつの方法です。

生活リズムが整い始めると、自律神経の切り替えが滑らかになり、活動と休息のバランスが取りやすくなる場合があります。

リラクゼーション

緊張状態が続くと交感神経の働きが高まり、自律神経の切り替えが難しくなることがあります。

リラクゼーションは、意識的に身体を休息モードへ導くための工夫です。

深呼吸やストレッチ、半身浴、アロマなど、リラックスしやすい方法を見つけてみましょう。

日中は活動により交感神経が優位になっているため、夜寝る前に副交感神経の働きを促すためにリラックスタイムを設けるのがおすすめです。

趣味や好きなことをする時間を取るのも、ストレス解消につながります。

気持ちを整える工夫

気持ちを整える工夫は、感情を押し込めて変えることではなく、神経の緊張を和らげることで体調の波を減らすのが目的です。

自律神経は感情やストレスの影響を受けやすく、不安や焦りが続くと交感神経が優位になり、身体の緊張が抜けにくくなります。

自分の気持ちに目を向け、紙やスマートフォンのメモ機能に思ったことを書き出すのも方法のひとつです。

文字にすることで客観的に感情と向き合うきっかけになり、興奮していた神経が落ち着きやすくなります。

事実と気持ちを分けて考えてみると、感情への刺激が弱まる効果も期待できます。

無理に取り繕って前向きになろうとせず、外側から客観的に捉えることを意識しましょう。

食生活の工夫

自律神経は、血糖値や体温、消化の動きと連動しています。

食事の間隔が極端に空くと血糖値の上下が大きくなり、交感神経の緊張が続きやすくなると考えられています。

反対に、エネルギー不足が長引くと活動量が落ち、身体機能の調整にも負荷がかかる場合があります。

栄養素

主な役割

自律神経との関係

タンパク質

神経伝達物質・筋肉の材料

セロトニンの合成・エネルギー

トリプトファン

必須アミノ酸・タンパク質の一種

セロトニンの前駆物質になる

ビタミンB群

代謝のサポート

エネルギー切れによるだるさや集中力防止

マグネシウム

筋肉と神経の調整

緊張やこわばりの緩和

GABA

抑制性神経伝達物質

興奮の高まりを抑え、過度な緊張を防ぐ

オメガ3脂肪酸

脳や神経の働きを支える

情報伝達を助ける

食物繊維

腸内環境を整える

腸と自律神経のつながりを維持

これらの栄養素だけを摂ればよいわけではなく、バランスよく取り入れてエネルギーを途切れさせない食事を意識しましょう。

また、朝食を抜く生活は、血糖値が上がりやすく、自律神経の波が乱れる要素になりかねないため、三食をきちんと食べるのが理想です。

サプリメントで補うことも可能ですが、あくまでサポートとして活用し、頼りきりにならないように注意してください。

自律神経の乱れの治療やサポート

自律神経の乱れが長く続いたり、日常生活に支障が出たりしている場合は、医療機関での治療を検討してみましょう。

現在の症状や困りごとを整理し、必要に応じた支援を受けるイメージです。

自律神経の乱れは何科に行けばいいか迷う方もいますが、精神科や心療内科を受診するとよいでしょう。

診察では、問診や生活習慣の確認を通して、ストレスや睡眠、ホルモンバランス、栄養状態などの要因を総合的に診断します。

薬物療法やカウンセリング、生活へのアドバイス、漢方薬、心理療法などのなかから、症状や状況に応じて治療法を検討します。

心の負担を軽減し、回復しやすい状態に整えていくのが目的です。

自分だけで抱え込まずに専門機関のサポートを受けることで、回復へのきっかけになるでしょう。

自律神経の乱れについてよくある質問

自律神経の乱れについて、よくある質問をまとめました。

将来のリスクややってはいけないことを理解することで、治療の参考にしてください。

Q:自律神経の乱れが長く続くとどんなリスクがある?

自律神経の乱れが長期間に渡って続くと、身体の調節機能が上手く働かなくなり、病気の発症リスクが高まることがあります。

  • うつ病・不安障害:神経伝達物質のバランスが崩れ、情緒が不安定になる
  • 起立性調節障害(OD):血圧や脈拍調整が上手くいかず、立ちくらみや倦怠感などが起こる
  • メタボリックシンドローム:高血圧になりやすく、生活習慣病のリスクも上がる
  • アルツハイマー型認知症:発症原因であるアミロイドβ(タンパク質の一種)の排出が滞る可能性がある
  • 過労死(過労関連死):過度なストレスや長時間労働で自律神経とともに心疾患系の負担になる

このように、自律神経の乱れは放置するとさまざまな疾患の発症につながるリスクがあります。

早期のケアと生活習慣の立て直しに加え、必要に応じて医療機関を受診ましょう。

Q:自律神経が乱れているときにやってはいけないことは?

自律神経が乱れているときは、心身にさらに負担をかけるような行動を避けてください

  • 不規則な生活
  • 睡眠不足
  • カフェインの過剰摂取
  • 過度な飲酒や喫煙
  • スマートフォンやパソコンの長時間使用
  • 極端な食事制限
  • 過度な運動

これらの習慣がある場合は、生活リズムや食生活を整えて、自律神経の回復をサポートしましょう。

また、無理を続けたり、考え込みすぎたりも控えて、リラックスできる時間を持つことも大切です。

自律神経の乱れで辛いときは専門機関を受診しよう

自律神経の乱れは、ストレスや生活リズム、ホルモンバランスの変化など、複数の要因が重なったときに起こりやすい反応です。

身体や心の不調につながる場合もあるため、仕組みを理解して対処することが大切です。

不調が長く続くときは、精神科や心療内科といった専門機関を受診し、サポートを受けることも検討してみてください。

自分の状態に合った方法とペースで、焦らず回復を目指しましょう。

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