双極性障害は寿命が短い?放置するリスクや寿命を延ばすポイントも解説

投稿日 2026年08月06日

躁うつ病
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双極性障害は気分が高揚する躁状態と、落ち込むうつ状態を繰り返す精神疾患です。

適切に治療すれば安定した生活を送ることは可能ですが、実はこの疾患は平均寿命が短くなる傾向があります。

しかし適切な治療と周囲からの支援により、寿命を延ばすことも可能です。

この記事では、双極性障害の寿命について詳しく解説します。

双極性障害の寿命が短くなる理由や放置するリスク、寿命を延ばすためのポイントなどもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

双極性障害は平均寿命が短くなる傾向がある

双極性障害を持つ人は、一般の人と比べて平均寿命が短くなる傾向があります。

デンマークの研究では、双極性障害のある人の平均余命が男女ともに8〜12年ほど短くなると報告されているのです。

特に25歳〜45歳の患者において顕著で、男性は8.7〜12.0年、女性は8.3〜10.6年短縮するとされています。

寿命が短くなる要因としては、自殺リスクの上昇や身体的な健康問題(心血管疾患や代謝異常など)との関係が指摘されています。

また治療の中断、薬の副作用、生活習慣の乱れも平均寿命に影響する要因です。

ただしこのデータは病院を受診している人を中心に集計されたものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。

参考:双極性障害における平均余命

双極性障害の寿命が短くなる理由

双極性障害の寿命が短くなる理由として、以下の3つが挙げられます。

  • 自殺のリスクが高いため
  • 生活習慣病のリスクが高いため
  • パーキンソン病を発症しやすいため

ここでは上記3つの理由についてそれぞれ解説します。

自殺のリスクが高いため

双極性障害はうつ状態と躁状態を繰り返す精神疾患で、特にうつ状態にあるときに「死にたい」「消えてしまいたい」といった希死念慮を抱きやすくなります。

以下のような要素が重なると、自殺のリスクはさらに高まるとされています。

  • 男性である
  • 一人暮らしをしている
  • 家族(配偶者や子ども)がいない
  • 若年(35歳未満)または高齢(75歳以上)
  • 失業中
  • 自殺を考えたことがある
  • 家族に自殺歴がある

自殺には前兆となるサインがある場合もあります。

例えば「死にたい」と口にする、急に明るく振る舞う、遺書を用意するなどが挙げられます。

こうした兆候に早く気づき、周囲が適切にサポートすることが大切です。

生活習慣病のリスクが高いため

双極性障害の寿命が短くなる理由として、生活習慣病のリスクが高いことが挙げられます。

双極性障害を持つ人は、喫煙や過度な飲酒、不規則な生活リズム、偏った食生活など、生活習慣に問題を抱えやすい傾向があるのです。

さらに運動不足や睡眠障害などが重なることで、肥満になりやすく、そこから生活習慣病に発展するケースも少なくありません。

肥満は糖尿病や高血圧、心筋梗塞などのリスクを高め、双極性障害の症状を悪化させる要因にもなります。

実際に双極性障害をもつ人は肥満のリスクが一般集団に比べて60%以上高く、Ⅱ型糖尿病や心血管疾患の発症率も高いとされています。

参考:ボディマスインデックスは、双極性うつ病の白質の微細構造と関連しています。

さらに治療に使われる気分安定薬や抗精神病薬には、体重増加や代謝異常を引き起こす副作用があるものも少なくありません。

そのため、治療中は特に肥満に注意して過ごす必要があります。

パーキンソン病を発症しやすいため

双極性障害を有する人は、そうでない人と比べてパーキンソン病の発症リスクが約3倍高いとされています

参考:日本うつ病学会診療ガイドライン 双極性障害(双極症)2023

パーキンソン病は脳内のドーパミン神経が減少することで起こる病気で、手足の震えや筋肉のこわばり、動作の緩慢さ、転倒しやすさなどの症状が現れるのが特徴です。

進行すると、認知症のリスクも高まります。

また双極性障害とパーキンソン病を併発した場合は、治療薬に注意しなくてはいけません。

例えばパーキンソン病の治療に使われる『L-ドーパ』や『ドーパミンアゴニスト』は、気分の変動に影響を与え、双極性障害の症状を悪化させる可能性があります。

双極性障害を放置するリスク

双極性障害を放置するリスクとして、以下の6つが挙げられます。

  • うつ状態が重症化し食事や睡眠の管理ができなくなる
  • 離婚率が高まる
  • 退職や解雇のリスクが高まる
  • 自殺リスクが高まる
  • 認知機能が低下する
  • 突然死のリスクがある

うつ状態が重症化し食事や睡眠の管理ができなくなる

双極性障害のうつ状態は通常の気分の落ち込みとは異なり、長期間にわたって意欲が低下し、心身ともに消耗していくのが特徴です。

放置すると、基本的な生活行動すら困難になってしまいます。

食事をとる気力が湧かない、睡眠が極端に浅くなる、あるいは逆に過眠になるといった問題が起こりやすくなります。

さらに自己否定感や絶望感が強まり、人とのコミュニケーションすら避けるようになることも少なくありません。

こうした状態が長く続くと社会的孤立につながり、さらに症状が悪化する悪循環に陥るリスクが高まります。

離婚率が高まる

双極性障害は本人だけでなく、家族やパートナーにも強い影響を与える病気です。

感情の起伏が激しいため、パートナーがその変化に振り回されることがあります。

うつ状態のときにはコミュニケーションが途絶えがちになり、躁状態では衝動的な発言や行動でトラブルを招くこともあります。

「これは病気のせいなのか、それとも本人の性格なのか」といった悩みを抱え、支える側も疲弊してしまうことが多いのです。

実際、双極性障害のある人は離婚率が高いとされており、パートナーの理解やサポート体制が不十分だと関係が破綻することも少なくありません。

退職や解雇のリスクが高まる

双極性障害を抱えたまま無理に働き続けると、うつ状態では仕事に集中できず欠勤や遅刻が増え、躁状態では過度な自信や衝動的な判断で業務に支障をきたすことがあります。

こうした行動が重なると、職場での信頼を失い、最終的には退職や解雇につながる恐れがあるのです。

法律上、病気を理由に即座に解雇することはできませんが、実際には居づらくなり自主的に辞めざるを得ない状況に追い込まれることもあります。

仕事を失うことで生活の安定を失い、自尊心がさらに低下して症状が悪化するという悪循環が生じる可能性もあります。

自殺リスクが高まる

双極性障害の大きな特徴のひとつが、自殺リスクの高さです。

特にうつ状態では、「自分には価値がない」「死んだ方がましだ」といった希死念慮にとらわれやすく、現実的な自殺計画を立ててしまうこともあります。

また躁状態からうつ状態へ急激に切り替わる際には感情のコントロールが効かなくなり、衝動的に自傷行為や自殺未遂に至るケースも見られます。

少しでも自殺の兆候が見られた場合はすぐに医療機関を受診し、適切な支援を受けることが大切です。

認知機能が低下する

双極性障害を長期間治療せずに放置すると、脳の働きにも影響が及ぶことが分かっています。

特に記憶力や集中力、判断力などの認知機能が低下する傾向があるのです。

これにより日常生活において物事を忘れやすくなったり、仕事や人間関係でミスを連発したりする可能性が高まります。

認知機能の低下は本人が気づきにくい点でもあり、周囲の指摘によって初めて問題が明らかになることも少なくありません。

放置すればするほど改善が難しくなるため、早期に治療を開始し、認知トレーニングなども併用することが望ましいです。

突然死のリスクがある

双極性障害は心血管疾患との関連が指摘されており、突然死のリスクがあるとされています

生活習慣の乱れや慢性的なストレス、さらには薬物治療の副作用などが、心臓発作や脳卒中などの引き金になる可能性があるのです。

特に肥満や高血圧、糖尿病を併発している場合は、リスクがさらに高まります。

突然死は予測が難しいため、日頃からの健康管理が重要です。

双極性障害の寿命を延ばすためのポイント

双極性障害の寿命を延ばすためのポイントは以下の通りです。

  • 定期的に通院して薬を正しく服用する
  • 規則正しい生活を送る
  • 適度に運動する
  • 過度なアルコール摂取を控える
  • 家族や友人のサポートを受ける
  • 日々の変化を察知して行動する

ここでは上記6つのポイントについてそれぞれ解説します。

定期的に通院して薬を正しく服用する

双極性障害の治療では、定期的な通院と処方された薬を正しく服用することが大切です。

薬を飲むことで気分の波を穏やかに保ち、極端なうつや躁の状態を避けることができます。

しかし症状が安定してくると「もう大丈夫かもしれない」と感じ、自己判断で服薬をやめてしまうケースも少なくありません。

こうした服薬の中断は再発リスクを高め、むしろ症状の周期が短くなったり重症化したりする可能性があります。

処方された薬は正しく服用し、少しでも気になる症状があれば、遠慮せず医師に相談するようにしましょう。

規則正しい生活を送る

双極性障害の寿命を延ばすためのポイントは、規則正しい生活を送ることです。

不規則な生活は気分の波を引き起こす一因になり、特に睡眠不足は躁状態やうつ状態のきっかけになることがあります。

そのため毎日決まった時間に起き、3食をバランスよくとり、夜はしっかりと眠るという健康的な生活リズムを維持することが大切です。

具体的には、以下のようなポイントを意識するとよいでしょう。

  • 7〜8時間程度の十分な睡眠を確保する
  • 深夜のスマートフォン使用や徹夜などを控える
  • 朝はできるだけ自然光を浴びる
  • 日中に活動的に過ごす

生活リズムを安定させるのは心身の健康だけでなく、再発防止や薬の効果を高めるためにも有効です。

適度に運動する

双極性障害の寿命を延ばすためには、適度に運動することも大切です。

適度な運動は心身の安定に役立つとともに、ストレス解消や気分の改善にも効果が期待できます。

ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの軽い運動であれば、双極性障害のある方でも無理なく続けやすいでしょう。

さらに運動は睡眠の質の向上や生活リズムの改善にもつながります。

一日15〜30分程度、無理のない範囲で習慣化することが大切です。

例えば朝の散歩や夕方のストレッチなど、生活の中に組み込むようにすると継続しやすくなるため、ぜひ試してみてください。

過度なアルコール摂取は控える

双極性障害の方は、過度なアルコール摂取は控えた方が良いでしょう。

アルコールは一時的にリラックス効果をもたらしますが、脳の神経伝達物質に作用し、感情の起伏を激しくさせる可能性があります。

特に躁状態を誘発したり、うつ状態を深めたりする危険があるため、注意が必要です。

さらにアルコールは服薬中の薬と相互作用を起こすことがあり、薬の効果を弱めたり、副作用を強めたりする恐れもあります。

飲酒習慣がある場合は、医師や家族と相談しながら徐々に量を減らすことを検討しましょう。

家族や友人のサポートを受ける

双極性障害の治療や症状の安定には、周囲の理解とサポートが欠かせません。

躁状態やうつ状態が現れると、自分自身では冷静な判断が難しくなることが多いため、信頼できる家族や友人がそばにいることで大きな助けとなります。

例えば気分の変化を周囲が早期に察知し、本人が気づかないうちに悪化するのを防いだり、医療機関への受診を促したりすることができるのです。

また悩みや不安を打ち明けることで気持ちが軽くなり、精神的な安定につながることもあります。

必要であれば、精神保健福祉士や心理士などの専門家にサポートを求めてみるのも良いでしょう。

日々の変化を察知して行動する

双極性障害の症状は日々変化するため、その小さなサインを見逃さないことが重要です。

躁状態とうつ状態には以下のような前兆がみられることがあります。

躁状態の前触れ

うつ状態の前触れ

  • 寝なくても平気になる
  • 会話が止まらない
  • 突然行動的になる
  • 気力がわかなくなる
  • 疲労感がある
  • 引きこもりがちになる

こうした変化を早期に察知できれば、医師への相談や生活リズムの調整など、悪化を防ぐための対処が可能になります。

日記や体調記録をつけるのも有効な手段です。

気分の推移や睡眠状況、出来事と気分の関係を記録しておくことで、パターンを把握しやすくなります。

いつもと違う兆しを感じたときは、受診日まで待たず、早めに医師に相談することを心がけましょう。

双極性障害の寿命を延ばすためには日々の変化を見逃さないことが大切

双極性障害を放置すると、自殺や生活習慣病、認知機能の低下といったリスクが重なり、寿命が短くなる傾向があります。

しかし定期的な通院と服薬、規則正しい生活、家族や友人の支援などを継続的に取り入れることで、症状の安定と健康維持が期待できます。

また日々の変化を見逃さず、早めに対応することも大切です。

かもみーるでは、臨床心理士・公認心理士を中心とした有資格者のみが在籍するオンラインカウンセリングサービスを提供しています。

双極性障害に関する不安を抱えている方は、ぜひ当院までご相談ください。

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この記事の監修者

赤堀 将太郎

医療法人社団弘愛会理事長

赤堀 将太郎

こんにちは、赤堀将太郎と申します。 心療内科のクリニックに受診するまでに心理的なハードルが大きいかと思います。 そういった場合、「かもみーる」で病院に行くべきかどうかなど気軽にご相談ください。 オンラインで御対応いたします。 また現在、どうしても仕事がつらくて休職したいと思っているが病院に行くのを迷っている方に対して、場合によっては診断書を発行することも可能です。(オンライン診察となります) そういった場合も遠慮なくお申し付けください。