気分が安定せず、ちょっとしたことでイライラしたり、急に落ち込んだりする状態が続くと、「このままで大丈夫なのだろうか」と不安になる方も少なくありません。
こうした情緒不安定な状態は、原因を知り、正しい対処を行うことが大切です。
この記事では、情緒不安定の治し方・対処法について詳しく解説します。
情緒不安定な状態を引き起こす要因や医療機関の受診目安などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
情緒不安定とは

情緒不安定とは、感情の波が大きくなり、気分が安定しにくい状態を指します。
普段であれば気にならない出来事で強くイライラしたり、理由がはっきりしないまま急に落ち込んだりすることがあります。
悲しみや不安、怒りなどの感情が短時間で切り替わるのが特徴で、自分でも気持ちの変化についていけず、戸惑うことも少なくありません。
誰にでも感情の揺れはありますが、その幅が大きかったり頻繁に起こったりすると、日常生活や人間関係に影響が出る場合があります。
家族や職場の人にきつく当たってしまったり、集中力が続かず作業が進まなくなったりすることもあります。
情緒不安定な状態が長期間続く場合や、日常生活に支障が出ている場合には、早めに医療機関に相談することが大切です。
情緒不安定なときに見られる症状

情緒不安定なときに見られる主な症状として、以下が挙げられます。
- 感情の起伏が激しい
- イライラしたり怒りっぽくなったりする
- 涙もろくなる
- 不安や落ち込みが強くなる
ここでは上記4つの症状についてそれぞれ解説します。
感情の起伏が激しい
情緒不安定なときは、感情の波が大きくなり、気分の変化が激しくなります。
さっきまで元気だったのに急に落ち込んだり、楽しい気分から一転して不安や怒りが湧いてきたりと、感情が短時間で切り替わることがあります。
自分でも理由が分からず、気持ちについていけないと感じる人も少なくありません。
また、ちょっとした言葉や出来事に強く反応しやすくなり、必要以上に傷ついたり落ち込んだりすることもあります。
感情をうまくコントロールできず、ネガティブな気持ちに引っ張られてしまうこともあるため、心が休まらない状態が続きやすくなります。
イライラしたり怒りっぽくなったりする
情緒不安定になると、普段は気にならないことでもイライラしやすくなります。
些細なミスや周囲の言動に対して強い不満を感じ、感情を抑えきれずに怒ってしまうことがあります。
自分でも「なぜこんなに腹が立つのだろう」と戸惑うケースも少なくありません。
特に身近な家族や友人、職場の人に対してきつい言葉をぶつけてしまい、後から自己嫌悪に陥ることもあります。
怒りを外に出すことで一時的に楽になったように感じても、結果的に人間関係のストレスが増え、さらに気持ちが不安定になることもあります。
涙もろくなる
情緒不安定なときは、特に理由もなく涙が出やすくなります。
悲しい出来事があったわけでもないのに、ふとした瞬間に涙がこぼれたり、涙が止まらなくなったりすることがあります。
自分でも「なぜ泣いているのかわからない」と感じることが多いでしょう。
これは心にたまったストレスや不安が、涙という形で表に出ている可能性があります。
普段よりも感情が敏感になっているため、些細な刺激で気持ちが揺さぶられやすくなるのです。
不安や落ち込みが強くなる
情緒不安定な状態では、不安や落ち込みが強くなる傾向があります。
「何か悪いことが起こるのではないか」といった漠然とした不安が頭から離れず、気持ちが落ち着かなくなることがあります。
これまで当たり前にできていたことが急に億劫に感じられたり、自信を失ったような感覚に陥ったりすることも少なくありません。
落ち込みが強いと、外出や人と会うことを避けがちになり、さらに気分が沈むという悪循環に陥ることもあります。
こうした不安や落ち込みが長く続く場合は、早めに誰かに相談することが大切です。
情緒不安定なときに考えられる原因

情緒不安定な状態は、心・体・周囲の環境が複雑に絡み合って生じることが多いです。
自分では気づかないうちに負担が積み重なり、感情のコントロールが難しくなるケースも少なくありません。
ここでは3つの原因についてそれぞれ解説します。
精神的な要因
精神的な要因で特に大きいのは、ストレスや不安の積み重ねです。
仕事のプレッシャーや人間関係の悩み、将来への不安などが続くと、心に余裕がなくなり、感情が不安定になりやすくなります。
自分では「このくらい大丈夫」と思っていても、知らないうちに心が疲れていることもあります。
また、過去につらい経験をしたことがある場合、その記憶が刺激となり、不安や怒り、落ち込みなどが強く出ることもあるでしょう。
さらにうつ病や双極性障害などの精神的な症状の一つとして、情緒不安定になることもあります。
心の不調を我慢し続けると悪化することもあるため、早めに周囲の信頼できる人や医療機関に相談することが大切です。
身体的な要因
体の状態の変化も、情緒不安定の大きな原因になります。
特に代表的なのが睡眠不足です。
眠りが浅い、夜中に何度も目が覚めるといった状態が続くと、脳や神経が十分に休めず、イライラや落ち込みが強くなりやすくなります。
その他にも以下のような要因が影響します。
- ホルモンバランスの変化(生理前後、妊娠・出産、更年期など)
- アルコールやカフェインの過剰摂取
- 身体疾患の一症状
気になる症状がある場合は、早めに医師に相談することが大切です。
外的要因
生活環境や周囲の変化といった外的要因も、情緒不安定を引き起こすきっかけになります。
特に引っ越しや転職、異動などの大きな環境の変化は、知らないうちに心身へ負担をかけます。
一見嬉しい出来事であっても、新しい環境に適応しようと無理をすることで、気持ちが不安定になることもあるため注意が必要です。
また、季節の変わり目も影響しやすい要因です。
気温や気圧、日照時間の変化により、体調だけでなく気分も揺れやすくなります。
特に日照時間が短くなる冬には、精神を安定させるセロトニンの分泌量が減るため、気分が沈みやすくなる場合があります。
情緒不安定な状態の治し方・対処法

情緒不安定な状態を改善するためには、心と体の両方をいたわることが大切です。
具体的な治し方・対処法として、以下が挙げられます。
- マインドフルネス
- しっかりと休養する
- 生活リズムを整える
- 適度に運動する
- バランスの良い食事を摂る
- 自分の気持ちを整理する
- 精神科や心療内科を受診する
ここでは上記7つの治し方・対処法について解説します。
マインドフルネス
マインドフルネスは、「今この瞬間」に意識を向けることで心を落ち着かせる方法です。
情緒不安定なときは、過去の失敗を思い出して落ち込んだり、先のことを考えて不安になったりしがちです。
こうした思考が続くと、気持ちはさらに不安定になってしまいます。
マインドフルネスでは、呼吸に意識を向けたり、体の感覚を丁寧に感じ取ったりすることで、頭の中を「今」に戻していきます。
特別な道具や場所は必要なく、短時間でも続けやすい点が特徴です。
感情を無理に変えようとせず、「今こう感じている」と認めることが心の安定につながります。
しっかりと休養する
情緒不安定なときは心身の疲れが溜まっていることが多いため、まずは休養を優先しましょう。
睡眠時間をいつもより多めに確保したり、無理な予定を入れないようにしたりするだけでも、心の負担は軽くなります。
眠れない場合でも、横になって体を休めるだけで疲労を和らげられます。
また、休日は何かを頑張ろうとせず、静かに過ごす時間を意識的に作ることも大切です。
しっかり休むことで自律神経が整いやすくなり、感情の波も少しずつ落ち着いてくるでしょう。
生活リズムを整える
情緒を安定させるためには、生活リズムを整えることも大切です。
起きる時間や寝る時間が日によって大きく違うと、体内時計が乱れ、気分の不調につながりやすくなります。
まずは、毎日同じ時間に起きることを意識してみましょう。
朝に日光を浴びることで、体内時計がリセットされ、生活リズムが整いやすくなります。
食事の時間を見直したり、夜遅くのカフェインやアルコールを控えたりするのも効果的です。
初めから完璧を目指す必要はないため、可能な範囲で少しずつ整えていきましょう。
適度に運動する
適度な運動は、気分転換やストレス解消に役立ちます。
激しい運動をする必要はなく、体を軽く動かすだけでも十分です。
ウォーキングやストレッチなど、続けやすいものを選ぶとよいでしょう。
体を動かすことで血流が良くなり、気分がすっきりしやすくなります。
また、日中に適度な運動を行うことで、睡眠の質の向上にも効果が期待できます。
バランスの良い食事を摂る
情緒を安定させるためには、バランスの良い食事を摂ることも大切です。
栄養が偏った食事や食事を抜く習慣が続くと、体調だけでなく気分も不安定になりやすくなります。
主食・主菜・副菜をそろえた食事を意識して、体に必要な栄養を摂取しましょう。
特に、たんぱく質・ビタミン・ミネラルは心と体の働きを支える重要な栄養素です。
完璧な食事を目指す必要はありませんが、外食や簡単な食事が続く場合は、野菜や果物を一品足すなど、小さな工夫を取り入れてみましょう。
自分の気持ちを整理する
情緒不安定な状態に悩んでいるときは、自分の気持ちを整理してみましょう。
ノートやメモにその日の出来事や感じたことを書き出してみると、気持ちを客観的に見やすくなります。
「何がつらかったのか」「どんなときに気分が落ち込むのか」が見えてくることもあります。
書くことで感情が外に出て、気持ちが少し軽くなる場合もあるでしょう。
また、後に医療機関を受診する際、状況を伝える材料としてノートやメモが役立つこともあります。
精神科や心療内科を受診する
情緒不安定な状態が長く続く場合や、生活に支障が出ている場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
精神科や心療内科では、現在の状態を丁寧に聞いたうえで、必要なサポートを提案してくれます。
「受診するほどではない」と感じる人もいますが、早めに相談することで気持ちが楽になるケースも少なくありません。
必要に応じてカウンセリングや薬物療法などが検討されますが、治療の内容は一人ひとり異なります。
情緒不安定の原因が体の不調やホルモンの変化にある場合もあるため、医師の視点で確認してもらうことには大きな意味があります。
つらい症状が続くときは一人で抱え込まず、信頼できる人に助けを求めましょう。
情緒不安定な状態の受診目安・受診すべき診療科

情緒不安定な状態が長く続く場合や生活に支障が出ている場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
単なる気分の変化ではなく、疾患や障害の影響の可能性も考えられます。
ここでは情緒不安定な状態の受診目安や受診すべき診療科について解説します。
情緒不安定な状態のときに考えられる疾患・障害
情緒不安定が続く原因として、疾患・障害が隠れている可能性があります。
情緒不安定を引き起こす代表的な疾患・障害として、うつ病や双極性障害が挙げられるでしょう。
これらは気分の落ち込みや過剰な高揚感など、感情の波が大きくなる特徴があり、日常生活に影響が出る場合もあります。
いずれも適切な治療を受けることで、症状を改善につなげることが可能です。
そのほかに考えられる疾患としては、以下が挙げられます。
- 不安障害
- 適応障害
- 境界性パーソナリティ障害
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)
- 強迫性障害
- 睡眠障害
- 気分変調症
- 統合失調症
- 月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)
さらに、アルコールの影響や自律神経の乱れ、身体疾患(主に内分泌疾患)が原因となる場合もあります。
これらは一般人では判断が難しいため、医師による正確な診断が必要です。
医療機関の受診を検討すべき症状
医療機関の受診を検討すべき症状として、以下が挙げられます。
- 感情の波が激しく、仕事・学業・家事などに支障が出ている
- 人間関係のトラブルが増えた
- 頭痛やめまいなど原因不明の身体の不調が続いている
- 気分の落ち込みやイライラが2週間以上続いていて、セルフケアで改善が見られない
上記に当てはまる場合は、一度医療機関を受診しましょう。
特に「消えてしまいたい」「自分を傷つけたい」といった気持ちが浮かぶ場合は、早めに専門家に相談することが大切です。
受診すべき診療科
情緒不安定な状態で受診を考える場合、受診すべき診療科は精神科または心療内科です。
精神科は気分の落ち込みや不安、気分の波など、心の症状全般を幅広く診る診療科です。
うつ病や双極性障害、不安に関する不調などが対象となります。
一方、心療内科は、ストレスが関係している頭痛や腹痛、動悸など体の症状を中心に診療します。
どちらを受診すべきか迷う場合は、通いやすさや相談しやすさを重視して選んでも問題ありません。
早めに相談することで、今の自分の状態を客観的に把握でき、適切な対応につながる可能性が高まります。
情緒不安定に悩む場合は精神科や心療内科の受診を検討しましょう
情緒不安定は、精神的なストレスや身体の不調、生活環境の変化など、さまざまな要因が重なって起こります。
マインドフルネスや休養、生活リズムの改善、適度な運動など、日常でできる対処法を可能範囲で少しずつ取り入れてみましょう。
それでも気分の波が激しくつらい場合や、生活に支障が出ている場合は、精神科や心療内科などの受診を検討してみてください。
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