虚無感とうつの違いは?原因・抱えやすい人の特徴・対処法について解説

更新日 2026年02月23日

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何をしていても心が満たされず、「虚しい」「何もやる気が出ない」と感じる状態を虚無感といいます。

この状態が長引くと「うつ病ではないか」と不安になる方も少なくありません。

虚無感とうつ病は似た部分がある一方で、原因や心身への影響には大きな違いがあります。

この記事では、虚無感とうつ病の違いや原因について詳しく解説します。

虚無感を抱えやすい人の特徴や対処法などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

虚無感とうつ病の違い

虚無感とうつ病は似たものとして語られやすいですが、この2つには大きな違いがあります。

どちらも「気分が落ち込む」「やる気が出ない」といった共通点がありますが、虚無感は一時的な心の反応として現れることが多いのに対し、うつ病は心身の不調が長く続く病気の一つです。

ここではこの2つの違いについて詳しく解説しましょう。

虚無感とは

虚無感とは、人生や物事に対して意味や価値を感じられなくなり、強い虚しさに襲われる状態を指します。

大切な人や目標を失ったとき、長く頑張ってきたことが思うような結果につながらなかったときなどに生じやすい感情です。

「これから何を支えに生きていけばよいのか分からない」と感じ、気力が湧かず投げやりな気持ちになることもあります。

ただし、休息を取ったり、環境や考え方が少し変わったりすることで、時間の経過とともに和らぐ場合も少なくありません。

誰にでも起こり得る心の反応として理解することが大切です。

うつ病とは

うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下が続き、日常生活に支障が出る精神疾患の一つです。

精神面では、悲観的な考えが強くなったり、以前は楽しめていたことに興味が持てなくなったりします。

集中力や判断力が低下し、仕事や家事が思うように進まなくなることもあります。

また、身体面の症状が現れる点も特徴です。

眠りにくい、途中で何度も目が覚める、食欲が落ちる、体が重だるいといった不調が見られることがあります。

こうした心身の状態が2週間以上ほぼ毎日続く場合は、うつ病の可能性が考えられます。

虚無感が症状の一部として現れることもあるため、「ただの虚しさ」と決めつけず、必要に応じて専門家に相談することが大切です。

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虚無感を抱える原因

虚無感を抱える原因として、以下が挙げられます。

  • 生きがいや目標の喪失
  • 信頼していた人の裏切り
  • 恋人との別れや離婚
  • 将来に対する漠然とした不安
  • 社会的孤立や孤独感
  • 自信の喪失

ここでは上記6つの原因についてそれぞれ解説します。

生きがいや目標の喪失

生きがいや目標を失うことは、虚無感を抱く大きなきっかけになります。

これまで「これのために頑張ってきた」と言える存在や目標があった場合、それを失った瞬間に、日々の行動の意味が分からなくなってしまうことがあります。

例えば、支えにしていた人との関係が終わった、長年目指してきた夢を諦めざるを得なくなったなどの場面です。

目標があるときは、多少つらいことがあっても前に進む力になりますが、それがなくなると、何を基準に努力すればよいのか見えなくなります。

その結果、「頑張る理由がない」「何をしても満たされない」と感じやすくなり、虚無感が強まってしまうのです。

信頼していた人の裏切り

信頼していた人に裏切られる経験は、虚無感につながりやすい出来事です。

身近な人だからこそ、「信じていたのに」という思いが強くなり、人そのものを信用できなくなってしまうことがあります。

友人や恋人、職場の人など、日常的に関わっていた相手からの裏切りは、安心感や人とのつながりを一気に壊してしまうものです。

その結果、人と関わること自体が怖くなり、距離を取るようになる人も少なくありません。

恋人との別れや離婚

恋人との別れや離婚は、虚無感を引き起こしやすい原因の一つです。

特に相手との関係に生活や感情を大きく預けていた場合、別れによる喪失感は非常に大きくなります。

これまで当たり前だった連絡や会話、将来の約束が一気になくなることで、心にぽっかり穴があいたように感じることもあるでしょう。

時間をかけて話し合い、納得したうえでの別れであれば、気持ちの整理が進みやすい場合もあります。

しかし、突然別れを告げられた場合や理由に納得できない場合は、気持ちが追いつかず、虚無感が強く残りやすくなります。

将来に対する漠然とした不安

将来が見えないという不安も、虚無感を抱える原因の一つです。

「このまま今の仕事を続けてよいのか」「この先の生活は大丈夫なのか」といった不安が続くと、目の前の行動に意味を見いだしにくくなります。

特に具体的な不安の内容がはっきりせず、何をすれば解消できるのか分からない状態では、心が消耗しやすくなります。

その状態が長引くことで、「何をしても将来につながらない」「頑張っても報われない」と感じやすくなり、虚しさが増していくことがあるのです。

社会的孤立や孤独感

人とのつながりが少ない状態が続くと、虚無感を抱きやすくなります。

同じ空間に家族がいても会話がほとんどない、職場以外で人と関わる機会がないといった状況は、社会的孤立につながりやすいものです。

人は誰かとの関わりの中で、「役に立っている」「必要とされている」と感じることで、心の安定を保っています。

しかし、人との接点が減ると、感謝されたり頼られたりする経験も少なくなります。

その結果、自分の存在意義が分からなくなり、孤独感が強まっていくのです。

そうして孤独感が膨らむと、「生きていても意味がないのではないか」と感じやすくなり、虚無感へとつながっていってしまうことがあります。

自信の喪失

自分らしさや自信を失うことも、虚無感を引き起こす原因になります。

仕事の失敗が続いたり、努力してきたことが思うような結果につながらなかったりすると、「自分には価値がないのではないか」と感じてしまうことがあります。

自信を失うと、新しいことに挑戦する意欲も低下し、行動範囲が狭くなりがちです。

その結果、成功体験を得る機会が減り、さらに自分を否定する気持ちが強まるという悪循環に陥ることがあります。

こうした流れの中で、虚しさや無力感が積み重なり、虚無感を引き起こしてしまいます。

虚無感を抱えやすい人の特徴

虚無感は出来事だけでなく、その人の考え方や感じ方の傾向とも深く関係しています。

具体的に、以下のような特徴がある人は虚無感を抱えやすい傾向にあるでしょう。

  • 真面目な人
  • 落ち込みやすい人
  • 感受性が強い人
  • 依存しやすい人

ここでは、上記4つの特徴についてそれぞれ解説します。

真面目な人

真面目な人は責任感が強く、虚無感を抱えやすい傾向があります。

与えられた役割をきちんと果たそうとする気持ちが強いため、「やらなければならない」「失敗してはいけない」と自分を追い込みやすい特徴があります。

その結果、多少の無理でも我慢して続けてしまい、気づかないうちに大きなストレスを抱えてしまうことがあるのです。

また、真面目な人ほど人に頼ることが苦手で、問題を一人で抱え込みがちです。

努力しても思うような結果が出なかったとき、「これだけ頑張ったのに意味がなかったのでは」と感じやすくなり、虚しさが強まることもあるでしょう。

真面目であること自体は大きな長所ですが、ときには力を抜き、周囲に助けを求めることも大切です。

落ち込みやすい人

物事を深く受け止めやすい人は、虚無感につながりやすい傾向があります。

注意されたり、思い通りにいかない出来事があったりすると、必要以上に自分を責めてしまうことがあります。

「自分は何をやっているのだろう」と考え続けるうちに、気力が落ち、虚しさが広がっていくことも少なくありません。

特に、周囲に気を遣う優しい人ほど、他人の評価や反応に影響されやすく、心が疲れやすい傾向があります。

小さな失敗でも強く落ち込む状態が続くと、日常の楽しさを感じにくくなり、虚無感が生まれやすくなります。

自分の心を守るためには、気持ちを切り替える練習をしたり、ポジティブな考え方を持ったりすることが大切です。

感受性が強い人

感受性が強い人は、周囲の人の言動や行動に影響され、虚無感を感じやすい傾向があります。

人の表情や言葉の変化にすぐ気づき、共感できる点は大きな魅力ですが、何気ない一言に深く傷ついたり、悪い出来事を長く引きずったりすることもあります。

特に現代はSNSなどを通じて多くの情報が目に入りやすく、否定的な意見や暗い話題にも触れやすい環境です。

感受性が強い人ほど、そうした情報を自分のことのように受け止め、気分が沈みやすくなります。

ネガティブな感情が積み重なると、「何をしても楽しくない」という感覚が強まり、虚無感につながることがあります。

外部からの刺激をポジティブに捉え、自分の心を守ることが大切です。

依存しやすい人

誰かに強く依存しやすい人も、虚無感を抱えやすい傾向があります。

一人で過ごすことに不安を感じやすく、常に誰かといたいと考える人は、支えを失ったときの反動が大きくなりがちです。

特に恋愛において相手に依存してしまっている場合、別れを経験すると、生活そのものが崩れたように感じることがあります。

依存していた対象がなくなると、「自分には何も残っていない」という思いが強まり、虚無感が一気に押し寄せることもあるでしょう。

誰かに頼ること自体は悪いことではありませんが、すべてを一人に委ねてしまうと、反動で心の負担が大きくなります。

一人の時間を過ごす習慣を作ったり、自分だけの楽しみを持ったりすることで、虚無感を和らげやすくなります。

虚無感の解消方法

虚無感を解消する方法は以下の通りです。

  • 虚無感と向き合う
  • 夢中になれる趣味や興味を見つける
  • 朝に日光を浴びる
  • 人との交流を増やす
  • 運動をする
  • 日記をつける

ここでは上記6つの方法についてそれぞれ解説します。

虚無感と向き合う

虚無感を解消するためには、その気持ちから目を背けず、きちんと向き合うことが大切です。

「考えても仕方がない」「そのうち治るだろう」と放置してしまうと、心の中で虚しさが膨らんでしまうことがあります。

まずは、「今、自分は虚無感を抱えている」と認めることが大切です。

そのうえで、「いつ頃から感じているのか」「何がきっかけだったのか」を静かに振り返ってみましょう。

無理に前向きな答えを出そうとせず、今の気持ちを理解しようとすることで、心の回復につながります。

夢中になれる趣味や興味を見つける

虚無感を和らげるために、夢中になれる趣味や興味を見つけるのがおすすめです。

音楽を聴く、動画を見る、料理をする、散歩をするなど、少しでも「やっている間は気がまぎれる」と感じるものを見つけてみましょう。

はじめは楽しさを感じられなくても、続けるうちに小さな達成感や変化に気づくことがあります。

また、新しいことに挑戦することで、思いがけず興味の幅が広がる場合もあります。

何かに夢中になれる時間を作ることで、人生の充実感を得られるようになるでしょう。

朝に日光を浴びる

朝に日光を浴びることで、心と体のリズムが整いやすくなります。

起きてすぐにカーテンを開けたり、短時間でも外に出たりすることで、体は「今は活動する時間だ」と認識しやすくなるのです。

生活リズムが乱れていると、気分の落ち込みやだるさが続き、虚無感を感じやすくなります。

朝の光を浴びる習慣をつけることで、昼間は動きやすくなり、夜は眠りやすくなります。

体内リズムが整って睡眠の質が改善すると、気持ちにも余裕が生まれやすくなるでしょう。

人との交流を増やす

虚無感を和らげるためには、人との交流を増やすことも大切です。

気心の知れた友人と話すだけでも、「自分は一人ではない」と感じられるでしょう。

無理に会わなくても、短いメッセージのやり取りや挨拶を交わすだけでも十分です。

人との交流を増やすことで、自分の存在が誰かに認識されているという実感が得られ、虚無感に襲われにくくなります。

運動をする

軽い運動を取り入れるのも、虚無感を解消するのに役立ちます。

激しい運動でなくても、散歩やストレッチなど、無理のないもので構いません。

適度に運動することで、ストレス発散になったり、睡眠の質を高めたりする効果が期待できます。

さらに運動によってエネルギーレベルが高まると、生きている実感がわき、虚無感が和らぎやすくなるでしょう。

日記をつける

日記を書くことで、自分の気持ちを整理し、虚無感と距離を取ることができます。

その日に感じたことや考えたことを、思いつくままに書いてみましょう。

言葉にすることで、頭の中にあったもやもやが外に出て、気持ちが少し落ち着くことがあります。

さらに日記を続けていくと、「この日は少し楽だった」「このときに落ち込みやすい」といった傾向に気づくこともあります。

自分の状態を客観的に見られるようになると、虚無感に振り回されにくくなるでしょう。

短い一文でもよいので、無理のない形で続けてみてください。

虚無感が続くときは専門家に相談しましょう

虚無感は、目標の喪失や人間関係の変化、孤独や将来への不安など、さまざまな要因が重なって生じやすい感情です。

一方で、うつ病は心身の不調が長期間続く病気であり、虚無感がその症状の一部として現れる場合もあります。

大切なのは、虚しさを我慢して放置しないことです。

自分の気持ちと向き合い、生活リズムを整えたり、人とのつながりや小さな楽しみを取り戻したりすることで、虚無感が和らぐこともあります。

つらい状態が続く場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することも検討しましょう。

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