手のしびれの原因で意外と多いのがストレスです。
強い緊張や不安を感じると、自律神経のバランスが乱れ、血流や神経の働きに影響を与えてしまいます。
その結果、手先がピリピリする、感覚が鈍くなるなどの症状が現れることがあります。
一時的なしびれであればセルフケアで改善することもありますが、長引く場合は注意が必要です。
この記事では、手のしびれの原因について詳しく解説します。
考えられる病気や対処法などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
手のしびれはストレスが原因?

ストレスは、手のしびれを引き起こす要因の一つです。
強いストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、体のさまざまな働きに影響を与えます。
その結果、血流が悪くなったり神経が過敏になったりして、手や指にしびれを感じることがあるのです。
特に、緊張や不安を感じたときに「手がピリピリする」「感覚が鈍い」といった症状が出る人も少なくありません。
自律神経の乱れにより起こる手のしびれには、以下の3つの種類があります。
- 感覚低下
- 感覚異常
- 運動麻痺
ここでは上記3種類のしびれについて解説します。
感覚低下
感覚低下とは、手や指の感覚が鈍くなり、触った感触がわかりにくくなったりする状態のことです。
熱さや痛みも感じにくくなるため、気づかないうちにやけどやけがをしてしまうこともあります。
また、頚椎のトラブルや手首の神経圧迫(手根管症候群)などでも似た症状が見られます。
感覚異常
感覚異常とは、何もしていないのに手や指にピリピリ、チクチク、ムズムズといった違和感がある状態のことです。
人によっては、冷たく感じたり、虫が這うような感覚を訴えたりすることもあります。
これらは神経が過敏になっているサインで、ストレスや疲れがたまると悪化しやすい傾向があります。
感覚異常が続くと安静にしていても落ち着かなくなり、集中力の低下やイライラの原因になることもあるため注意が必要です。
運動麻痺
運動麻痺とは、手や指に力が入らず、思うように動かせなくなる状態です。
ペンを握る、ボタンを留めるといった細かい動作が難しくなることがあります。
足に症状が出た場合は、転倒の危険もあるため注意が必要です。
長期間続く運動麻痺は脳や脊髄、末梢神経の病気が関係している可能性があるため、日常動作に支障がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
手のしびれがあるときに考えられる病気

手のしびれはストレスだけでなく、神経や脳の病気によって起こることもあります。
しびれの原因はさまざまで、放置すると重大な病気が進行しているケースもあるため注意が必要です。
特に片方の手だけしびれる、突然しびれが強くなった、言葉が出にくいといった症状がある場合は、脳に異常が生じている可能性もあります。
ここでは手のしびれがあるときに考えられる病気について解説します。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、ストレスや生活習慣の乱れによって自律神経のバランスが崩れ、体にさまざまな不調が現れる状態のことです。
自律神経が乱れると血流が悪くなり、手や指にしびれを感じることがあります。
自律神経失調症によるしびれは一時的なことが多いですが、睡眠不足やストレスが続くと慢性化することもあるため注意が必要です。
脳の病気
脳に原因がある場合、手のしびれは深刻なサインである可能性があります。
脳の神経は体の各部とつながっているため、脳の一部が障害されると反対側の手や足にしびれや麻痺が起こることがあるのです。
手にしびれが出る病気としては、脳卒中(脳梗塞・脳出血)や脳腫瘍、一過性脳虚血発作などが挙げられます。
脳卒中
脳卒中は、脳出血や脳梗塞などにより脳の一部に障害が起こる病気です。
脳の運動神経や感覚神経がダメージを受けると、片方の手足にしびれや麻痺が出ます。
右脳に障害があれば左半身、左脳に障害があれば右半身に症状が現れるのが特徴です。
また、視床という脳の部位が障害されると、強いしびれや痛みを伴うことがあります。
「急に手がしびれた」「上手く話せない」「片側の口角が下がっている」といった症状がある場合は、すぐに救急搬送が必要です。
脳腫瘍
脳腫瘍は、脳内にできた腫瘍が神経を圧迫し、しびれや感覚の低下を引き起こす病気です。
良性の場合はゆっくり進行しますが、悪性の場合は症状が急速に悪化します。
手足のしびれのほかに、頭痛や視力障害、言葉が出にくいなどの症状を伴うことがあります。
初期は軽い違和感だけでも、徐々に症状が強くなることが多いため、「最近しびれが続く」「頭痛もある」といった場合は早めにMRIなどの検査を受けましょう。
早期発見できれば、治療での回復が期待できます。
一過性脳虚血発作
一過性脳虚血発作は、脳の血流が一時的に途絶えることで、短時間だけしびれや言葉の障害が起こる病気です。
発作は数分から1時間以内で治まることが多いですが、放置すると本格的な脳梗塞につながる恐れがあります。
そのため、食事中に突然箸が持てなくなった、話している途中でろれつが回らなくなったなどの症状が出て、すぐに治まったとしても安心はできません。
上記のような症状が出た場合は早めに医療機関を受診し、原因の特定と予防治療を受けることが大切です。
脊椎の病気
手のしびれは、脳や神経だけでなく脊椎に原因があることも少なくありません。
脊椎の変形や損傷などで神経が圧迫されると、手や足にしびれ、痛みなどの症状が現れることがあるのです。
手にしびれが出る病気としては、変形性脊椎症、頸椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症などが挙げられます。
変形性脊椎症
変形性脊椎症は、加齢や姿勢の影響によって脊椎が変形し、神経を圧迫する病気です。
脊椎が変形すると骨棘と呼ばれるトゲのようなものが形成され、脊髄や末梢神経を刺激します。
その結果、首から肩、腕、手にかけてしびれや痛み、脱力感が現れるのです。
症状が進むと、ボタンを留める、箸を持つといった細かい動作が難しくなることもあります。
頸椎椎間板ヘルニア
頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨の間にある椎間板が本来の位置から飛び出し、神経を圧迫することで起こる病気です。
この病気になると首や肩、腕、手にかけてしびれや痛みが出やすくなります。
進行すると指先に力が入りにくくなり、ペンを持つ、ボタンを留めるといった細かい動作にも支障が出ることがあります。
後縦靭帯骨化症
後縦靭帯骨化症は、背骨の後ろ側にある靭帯(後縦靭帯)が骨のように硬くなり、神経を圧迫してしまう病気です。
進行がゆっくりなことが多く、初期は軽い違和感やしびれだけで気づかないこともあります。
しかし症状が進むと、物をつかみにくい、足がもつれるといった動きの障害が出てくることがあります。
進行を防ぐためには、早めにMRI検査などで正確な診断を受け、適切な治療を受けることが大切です。
末梢神経の病気
手のしびれは脳や脊椎の異常だけでなく、末梢神経の障害によって起こることもあります。
末梢神経は脳や脊髄から全身へ信号を送るための神経で、これが圧迫されたり傷ついたりすると、しびれや痛み、脱力感といった症状が現れるのです。
手にしびれが出る病気としては、胸郭出口症候群、肘部管症候群、手根管症候群などが挙げられます。
胸郭出口症候群
胸郭出口症候群は、鎖骨と肋骨の間にある胸郭出口と呼ばれる狭い通り道で神経が圧迫されることで起こる病気です。
特に、なで肩や首が長い女性に多く見られるのが特徴です。
この病気になると肩や腕のだるさ、手のしびれ、痛みなどの症状が現れます。
肘部管症候群
肘部管症候群は、肘の内側を通る神経が圧迫されることで起こる病気です。
発症すると、手の小指と薬指にしびれなどの症状が現れます。
進行すると指が思うように動かず、細かい作業が難しくなったり、物を落としやすくなったりすることがあります。
手根管症候群
手根管症候群は、手首の骨と靭帯で囲まれた手根管というトンネル内で、正中神経が圧迫されることで起こる病気です。
手をよく使う人や、妊娠・出産期、更年期の女性に多く見られます。
手指の一部にしびれや痛みが出るのが主な症状です。
進行すると親指の付け根の筋肉が痩せて物をつかみにくくなり、ボタンを留める、字を書くといった動作に支障が出ることもあります。
内科の病気
手のしびれは内科的な病気によっても起こることがあります。
体の代謝や血流、栄養のバランスが崩れると、神経が正常に働かなくなり、手足のしびれや感覚の鈍さなどの症状が現れることがあるのです。
手にしびれが出る病気としては、糖尿病性神経障害、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏などが挙げられます。
糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害は糖尿病の三大合併症の一つで、慢性的に高血糖が続くことで神経が傷つき、手足にしびれや痛みが現れる病気です。
悪化すると強い痛みや皮膚潰瘍を伴うこともあり、足が壊死し、切断が必要になるケースもあります。
食事・運動・薬の管理を継続することで進行を抑えられるため、医師の指示に従って正しい治療を継続しましょう。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなり、体の代謝が低下する病気です。
代謝の低下により、手足のしびれやむくみ、筋力の低下などが起こることがあります。
その他にも、倦怠感や体重増加、寒がり、記憶力の低下など、全身にさまざまな症状が見られます。
ビタミン欠乏
偏った食生活や無理なダイエット、アルコールの過剰摂取などが原因でビタミンが欠乏すると、しびれなどの神経障害が起こることがあります。
特にしびれと深い関係にあるビタミンはビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸などです。
日常的にバランスのとれた食事を心がけ、必要に応じてサプリメントや医師の指導のもとでビタミンを補うことが大切です。
しびれが長引く場合は、栄養状態の検査を受けて原因を確認しましょう。
ストレスが原因で手がしびれるときの対処法

ストレスが原因で手がしびれるときの対処法として、以下の5つが挙げられます。
- ストレスを軽減する
- 血行を促進する
- 軽いストレッチや運動をする
- 正しい姿勢を維持する
- 医療機関を受診する
ここでは上記5つの対処法について解説します。
ストレスを軽減する
ストレスがたまると手足のしびれを引き起こしやすくなるため、まずはストレスを軽減することが大切です。
例えば好きな音楽を聴く、自然の中を散歩する、お風呂にゆっくり浸かるなど、心が落ち着く時間を意識的に作ることがポイントです。
また、深呼吸や瞑想などを取り入れると、自律神経のバランスが整いやすくなります。
自分に合ったリラックス方法を取り入れるとよいでしょう。
血行を促進する
ストレスによって血流が悪くなると手や指先の神経に十分な酸素が届かず、しびれが出やすくなるため、体を温めて血行をよくすることが大切です。
おすすめは、湯船にゆっくり浸かることです。
全身の血の巡りが良くなり、筋肉のこりもほぐれやすくなります。
寒い季節や冷えが気になるときは、カイロや湯たんぽを使って首・腰・手首などを温めるのも効果的です。
軽いストレッチや運動をする
同じ姿勢で長時間作業を続けていると、筋肉が固まり、神経や血管が圧迫されてしびれを感じやすくなります。
そのため軽いストレッチや運動を取り入れて体をほぐすことが大切です。
首や肩をゆっくり回したり、手首を伸ばすストレッチを行ったりすると、筋肉の緊張が和らぎ血流が改善されます。
ウォーキングやヨガなどの軽い運動もおすすめです。
激しい運動をする必要はなく、1日10分程度でも体を動かすことで十分効果があります。
正しい姿勢を維持する
猫背や前かがみなどの悪い姿勢は、神経や血管を圧迫してしびれを引き起こす原因になります。
特にデスクワークをする人は、長時間同じ姿勢を続けることが多いため注意が必要です。
背筋を伸ばし、顎を軽く引き、肩の力を抜いて綺麗な姿勢を意識してみましょう。
また、30分に一度立ち上がって軽く体を動かすのも効果的です。
医療機関を受診する
セルフケアを行っても手のしびれが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
しびれが長期間続く、痛みや力が入らないといった症状がある場合は、神経や血管、内科的な病気が関係している可能性があります。
原因がわからない場合は内科や整形外科、ストレスによる自律神経の乱れが関係している場合は精神科や心療内科の受診を検討してみてください。
早めに専門医の診察を受けることで、適切な治療や生活改善のアドバイスを受けられます。
手のしびれが続く場合は医療機関を受診しましょう
ストレスによる手のしびれは、セルフケアにより改善が期待できます。
しかし、しびれが長期間続いたり、痛みや脱力感を伴ったりする場合は、脳や神経、内科的な病気が関係している可能性もあります。
自己判断で放置せず、まずは医療機関で原因を確認することが大切です。
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