抑うつ状態の治し方は?改善するための生活習慣のポイントも解説

更新日 2026年01月26日

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「最近、気分が落ち込みやすくなった」「何をするにもやる気が出ない状態が続いている」など、心の不調に悩んでいる場合、それは抑うつ状態かもしれません。

抑うつ状態は誰にでも起こり得るもので、決して特別なことではありません。

しかし、正しい対処を知らないまま無理を重ねると、回復に時間がかかることもあります。

この記事では、抑うつ状態の治し方について詳しく解説します。

生活習慣のポイントやよくある質問などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

抑うつ状態とは

抑うつ状態とは、強いストレスや環境の変化、体調の影響などをきっかけに気分が落ち込み、心のエネルギーが低下している状態を指します。

やる気が出にくくなったり、以前は普通にできていたことがつらく感じたりするなど、精神面の変化が中心に表れるのが特徴です。

その結果、活動性が低下し、疲労感や睡眠障害、食欲の変化といった身体の不調が伴うことも少なくありません。

仕事や人間関係で大きな負担がかかったとき、生活環境が大きく変わったときなどに、心が一時的に疲れてしまうことで生じる場合もあります。

一方で、抑うつ状態が長く続く場合や日常生活に支障が出ている場合には、うつ病などの精神疾患や身体の病気、服用している薬の影響が関係していることもあります。

なお、『抑うつ状態』と『うつ病』は同じ意味ではありません。

抑うつ状態は、うつ病の診断基準をすべて満たしていないものの、似た症状がみられる状態を表す言葉としてよく使われます。

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抑うつ状態の主な症状

抑うつ状態では、精神症状だけでなく、身体症状が表れることもあります。

精神症状

身体症状

  • 気分の落ち込み
  • 意欲や興味の喪失
  • 思考力や集中力の低下
  • 自己評価の低下 など
  • 不眠・過眠
  • 食欲や体重の変化
  • 身体の痛み
  • 生理不順 など

ここでは上記の症状についてそれぞれ解説します。

精神症状

抑うつ状態の精神症状では、以前は問題なくできていたことが負担に感じられたり、些細なことで落ち込みやすくなったりします。

さらに気分の変化だけでなく、意欲や考え方、人との関わり方にも影響します。

人と話すのが面倒に感じられたり、一人でいたいと思うようになったりすることもあるのです。

これらの症状は本人の気持ちの弱さではなく、心のエネルギーが低下しているサインと考えられます。

気分の落ち込み

抑うつ状態では、気分が落ち込みやすくなります。

些細な出来事でも強く落ち込んでしまったり、小さな失敗を必要以上に重く受け止めてしまったりすることがあるのです。

悲しさやむなしさが続き、気持ちを切り替えようとしても難しいと感じる場合もあります。

涙もろくなったり、将来に対して悲観的になってしまったりすることも少なくありません。

意欲や興味の喪失

意欲や興味がわかなくなるのも、抑うつ状態によくみられる症状です。

仕事や家事、勉強などの日常的な行動がつらく感じられ、「やらなければいけない」と思っても体が動かないことがあります。

また、これまで好きだった趣味や楽しみに対しても関心が薄れ、何をしても楽しいと感じられなくなる場合があります。

思考力や集中力の低下

抑うつ状態になると、思考力や集中力が低下しやすくなります。

仕事や作業に時間がかかるようになったり、ミスが増えてしまったりすることもあります。

また、「何をするべきか分からない」「決断できない」と感じる場面が増えるのも特徴です。

頭の中で同じ不安や心配事を繰り返し考えてしまい、気持ちが休まらない状態になることもあります。

自己評価の低下

抑うつ状態では、自分に対する評価が必要以上に低くなる傾向があります。

「自分は何をやってもダメだ」「周りの人に迷惑をかけている」といった否定的な考えが強くなり、自分を責めてしまうことがあるのです。

過去の失敗ばかり思い出してしまったり、良い面に目を向けられなくなったりすることも少なくありません。

このような状態が続くと、気持ちがさらに落ち込みやすくなるため、早めに信頼できる周囲の人や医療機関に相談することが大切です。

身体症状

抑うつ状態の身体症状は、人によって表れ方が異なります。

睡眠や食欲の変化のほか、痛みやだるさなど、日常生活に影響する症状が続くこともあります。

これらは心と体が密接につながっているために起こる症状です。

原因がはっきりしない体調不良が続く場合は、無理をせず体と心の両面から状態を見直すことが大切です。

不眠・過眠

抑うつ状態では、睡眠のリズムが乱れやすくなります。

なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目覚めてしまうといった症状がみられることがあるのです。

睡眠に異常が生じると、十分に休んだ感覚が得られず、疲れが取れにくくなります。

食欲や体重の変化

食欲の変化も、抑うつ状態で表れやすい症状の一つです。

食事をしても美味しいと感じられず、食べること自体が面倒に感じられ、その結果として食事量が減り、体重が落ちる場合があります。

一方で、不安や気分の落ち込みをまぎらわすために食べ過ぎてしまい、体重が増えるケースもあります。

どちらの場合も、以前と比べて食生活が大きく変わっている場合は注意が必要です。

身体の痛み

抑うつ状態では、頭痛や肩こり、背中や腰の痛みなど、体のさまざまな場所に痛みが出ることがあります。

病院で検査を受けても特に異常が見つからず、治療をしてもなかなか改善しない場合、心の状態が影響している可能性が考えられるでしょう。

痛みが続くことでさらに気分が落ち込み、悪循環になることもあります。

長引く痛みがある場合は、体だけでなく心の状態にも目を向けることが大切です。

生理不順

女性の場合、抑うつ状態が続くことで生理の周期が乱れることがあります。

ストレスや心身の負担がホルモンバランスに影響し、生理が遅れたり、周期が不規則になったりすることがあるのです。

生理不順が続く場合や体調の変化が気になるときは、医療機関に相談し、心と体の両面から原因を確認しましょう。

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抑うつ状態の治し方

抑うつ状態の基本的な治し方として、以下の3つが挙げられます。

  • 休養・環境調整
  • 薬物療法
  • 精神療法

ここでは上記3つの治し方についてそれぞれ解説します。

休養・環境調整

抑うつ状態の改善においてまず大切なのが、十分な休養をとることです。

気分が落ち込んでいると「休んではいけない」「自分が頑張らなければ」と考えがちですが、心のエネルギーが下がっている状態で無理を続けると、回復が遅れてしまうこともあります。

思い切って仕事や家事の負担を減らし、心身を休ませる時間を確保することが重要です。

また、休みにくい環境にいる場合は、環境調整を行うことも検討しましょう。

職場であれば業務量を調整する、残業を減らすといった対応が考えられます。

家事の負担が多い場合は、家族に協力をお願いして家事や育児を分担するとよいでしょう。

それと合わせて、十分な睡眠時間の確保や栄養バランスの良い食事など、健康的な生活習慣を心がけることも大切です。

薬物療法

抑うつ状態の治療方法の一つに挙げられるのが、薬物療法です。

患者さんの状態によっては、医師の判断で抗うつ薬などが処方されることがあります。

抗うつ薬は気分の落ち込みや不安感を和らげ、心の状態を安定させる効果が期待できます。

ただし、薬の効果はすぐに表れるわけではなく、一定期間服用を続けてから徐々に変化を感じるケースが多いです。

また、眠れない・不安が強い・落ち着かないといった症状がある場合には、それらを和らげる目的で別の薬が処方されることもあります。

薬物療法を行う際に大切なのは、自己判断で服用量を変えたり、急に中止したりしないことです。

副作用が心配な場合は、我慢せずに医師に相談してみましょう。

精神療法

精神療法は、抑うつ状態の症状を和らげるだけでなく、再発防止にも役立ちます。

医師やカウンセラーと話しながら、自分の気持ちや考え方を整理し、心の負担を軽くしていく治療方法です。

代表的なものに、認知行動療法や対人関係療法があります。

認知行動療法

出来事の受け取り方や考え方の癖に焦点を当て、極端な考え方を徐々に修正していく方法

対人関係療法

人間関係が症状に影響している場合に、関係性や関わり方について整理し、負担の減らし方を探っていく方法

こうした精神療法を通じて、自分に合った対処法を身につけていくことで、抑うつ状態を抜け出しやすくなります。

抑うつ状態を改善するための生活習慣のポイント

抑うつ状態を改善していくためには、治療だけでなく、日々の生活習慣を見直すことも大切です。

具体的には以下のポイントが挙げられます。

  • しっかり休む
  • 日の光を浴びる
  • 生活リズムを整える
  • 栄養バランスの整った食事を心がける
  • ストレスをため込まない
  • 適度に運動する

ここでは上記のポイントについてそれぞれ解説します。

しっかり休む

抑うつ状態のときに特に大切なのは、無理をせずしっかり休むことです。

仕事や学校がストレスの原因となっている場合には、数日間休みをとるのもよいでしょう。

時間はあるのになかなか寝られない場合には、睡眠薬を使用するのも一つの方法です。

休んでも症状が改善しない、または悪化する場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

日の光を浴びる

抑うつ状態を改善するためには、日の光を浴びることも大切です。

抑うつ状態では、気分の落ち込みから家にこもりがちになり、昼夜の区別がつきにくくなることがあります。

その状態が続くと、さらに動く気力がなくなる悪循環に陥ることもあります。

朝にカーテンを開けて日光を浴びたり、短時間でも外に出たりすることを意識してみましょう。

長時間でなくても良いので、無理のない範囲で続けることがポイントです。

生活リズムを整える

抑うつ状態の改善には、生活リズムの見直しも大切です。

寝る時間や起きる時間、食事の時間が日によって大きく変わると、体と心の調子が安定しにくくなります。

まずは、毎日同じ時間に起きることを目標にしてみましょう。

夜は眠れなくても、朝の起床時間を一定にすることで、少しずつリズムが整いやすくなります。

また、寝る前にリラックスできる習慣を作るのもおすすめです。

入浴や軽いストレッチ、好きな音楽を聴くなど、自分が落ち着ける方法を見つけると良いでしょう。

栄養バランスの整った食事を心がける

抑うつ状態を改善するためには、栄養バランスの整った食事を心がけることが大切です。

抑うつ状態のときは、食欲が落ちたり、簡単な食事で済ませてしまったりすることが増えがちです。

完璧を目指す必要はありませんが、できる範囲で栄養バランスを意識してみましょう。

食事の回数や時間が不規則になっている場合は、少量でも決まった時間に食べることを意識すると、生活リズムの安定にもつながります。

食事が負担に感じる場合は、無理せず、医師や管理栄養士に相談するのも一つの方法です。

ストレスをため込まない

抑うつ状態は、長期間のストレスが積み重なって起こることが多いとされるため、ストレスをため込まないことが大切です。

まずは、自分がどのような場面で強いストレスを感じているのかを振り返ってみましょう。

ストレスの原因が明確で、距離を取ることが可能であれば、その原因から離れてみてください。

また、すぐに環境を変えられない場合でも、気持ちを言葉にするだけで心が軽くなることがあります。

信頼できる人に話したり、紙に書き出したりするのも有効です。

深呼吸やリラックスできる時間を意識的に取り入れるのも、気持ちの切り替えにつながります。

適度に運動する

十分な休養が取れてきたら、軽い運動を取り入れるのもおすすめです。

散歩や軽い体操など、気持ちよく体を動かせる程度で構いません。体を動かすことで気分転換になり、眠りの質が良くなることもあります。

初めは1日10分程度の散歩から始めてみて、慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていくとよいでしょう。

体調を見ながら、自分のペースで取り入れてみてください。

抑うつ状態の治し方に関するよくある質問

抑うつ状態の治し方に関するよくある質問をまとめました。

  • 抑うつ状態と診断されたらどうすればいい?
  • 抑うつ状態が治るまでどれくらいかかる?

ここでは上記2つの質問についてそれぞれ解説します。

Q:抑うつ状態と診断されたらどうすればいい?

抑うつ状態と診断された場合、まず大切なのは無理をしないことです。

仕事や家事、人間関係などのストレスを抱えたまま頑張り続けてしまう方もいますが、心が疲れている状態では回復が遅れてしまいます。

できる範囲でストレスの原因から距離をとり、休養を優先しましょう。

また、医師から薬の提案やカウンセリングを勧められることもありますが、疑問や不安があれば遠慮せず相談することが大切です。

Q:抑うつ状態が治るまでどれくらいかかる?

抑うつ状態が回復するまでの期間は、人によって大きく異なります。

比較的軽い状態であれば、数週間から数か月の休養・治療で落ち着きやすいですが、症状が重い場合は年単位の時間がかかることもあります。

また、一時的に調子が良くなった後に再び気分が落ち込むこともありますが、それは珍しいことではありません。

良くなったり不安定になったりを繰り返しながら、少しずつ安定していくケースが多いです。

「早く治さなければ」と焦らず、その時々の状態に合わせて休みながら治療を続けることが大切です。

抑うつ状態が疑われるときは心療内科を受診しましょう

抑うつ状態を治すうえで大切なのは、「一人で頑張りすぎないこと」と「回復には時間がかかる場合があると理解すること」です。

抑うつ状態は心のエネルギーが低下している状態であり、気合いや努力だけで乗り切ろうとすると、かえって悪化することもあります。

まずは休養を優先し、必要に応じて環境を整え、医療機関のサポートを受けながら治療を進めましょう。

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