投稿日 2026年04月23日
夜中に何度も目が覚めるほどうなされると、「原因はなんだろう」「もしかしたら病気かもしれない」と不安に感じる方が多いのではないでしょうか。
うなされる原因は、発熱や体調不良といった一時的なものもあれば、睡眠障害や精神疾患などの病気が背景にあることもあります。
この記事では、睡眠中にうなされる原因、子どもがうなされる原因、主な症状や対処法、医療機関を受診すべきケースについて詳しく紹介します。
そもそも「うなされる」とはどういう状態?

うなされるとは、眠っている間にうめき声を出したり、苦しそうな表情をしたり、体をもぞもぞと動かしている状態を指すことが多いです。
医学的な正式名称ではなく日常的な言い回しになるため、明確な基準はなく、人によって指している状態には幅があります。
一般的には、眠りが浅いときや悪夢などの影響で、脳や自律神経が休み切れていない状態で起こりやすいと考えられています。
一方で、叫ぶほど激しいうなされ方をする場合は、悪夢障害や夜驚症など、何らかの睡眠障害やメンタル不調が背景にあるケースもあります。
うなされる頻度が極端に多く、日中の疲れや気分の落ち込みにつながっていると感じられるときは、単なる習慣だと決めつけないことが大切です。
睡眠中にうなされる主な原因

睡眠中にうなされる背景には、日々のストレスや体調の変化、睡眠障害や心の病気まで、さまざまな要因が絡み合っていることがあります。
ここでは、特に関与しやすい主な原因について詳しく解説します。
強いストレスや不安の影響
強いストレスや不安は、睡眠中にうなされる原因の一つと考えられています。
緊張した状態が続くと夜になっても脳や体が休まりにくく、その結果、眠りが浅くなったり悪夢を見やすくなることでうなされやすくなります。
仕事のプレッシャーや人間関係の悩みなど、原因となるストレスの内容は人それぞれ異なりますが、心理的な負担が重いほど睡眠への影響も大きくなりやすいです。
また、ストレスを抱えたまま寝ると、日中の出来事が夢の中で何度も再現される悪夢となって現れ、気づかないうちに寝言やうめき声が増えてしまうこともあります。
▶ストレスが引き起こす症状・病気┃限界に達したときに出る異変や受診の目安
悪夢や記憶の再体験
つらい体験や不安な出来事が頭から離れないと、その内容が悪夢として何度も再生され、うなされているような反応が出やすくなります。
特に、事故や災害、いじめやハラスメントなど強いショックを伴う出来事は、心の傷として残りやすく、寝ているあいだに記憶の再体験として現れやすいといわれています。
こうした悪夢の最中には、「逃げたい」「助けてほしい」という感情が高ぶることで、うめき声や叫び声などが出やすくなります。
ただの悪夢と軽く考えず、同じようなつらい夢ばかり何度も見る場合は、心身が悲鳴を上げているサインと受け止め、一人で抱え込まないことが大切です。
発熱や体調不良による一時的な反応
風邪やインフルエンザなどで高熱が出たときは、子どもだけでなく大人も睡眠中にうなされるような反応が出やすくなります。
体温が上がると脳の働きも一時的に変化し、眠りが浅くなったり、夢と現実の境目があいまいになりやすいとされています。
その結果、睡眠中に手足を動かす、払いのける仕草をする、怖そうな表情で寝ているなど、周囲から見るとうなされているような様子になることがあります。
ただし、呼吸が苦しそう、ぐったりして反応が弱い、けいれんを起こしている場合などは、うなされているだけではない可能性があるため、医療機関の受診を検討しましょう。
睡眠不足や生活リズムの乱れ
慢性的な睡眠不足や生活リズムの乱れが起きていると、寝言が増える、寝返りが多く落ち着かない、悪夢を見てうなされるなどの状態につながることがあります。
本来、睡眠は深い眠りと浅い眠りが交互に訪れますが、生活リズムの乱れが続くと浅い眠りの時間が増えたり、途中で頻繁に目が覚めたりしやすくなります。
さらに、寝不足は日中の集中力や気分にも影響し、仕事のミスや人間関係のトラブルを招きやすく、それがストレスとなり睡眠に影響するという悪循環が起きがちです。
うなされることが増えたと感じるときは、原因を難しく考えすぎる前に、まずは睡眠時間や起床時間のパターンを振り返り、生活リズムを整えることが大切です。
アルコールや服用中の薬の影響
寝つきをよくするつもりで飲んだお酒が、うなされる夜を増やしてしまうこともあります。
アルコールは一時的に眠気を強めてくれる側面もありますが、効果は短時間で切れやすく、途中で目覚めやすくすることで知られています。
また、アルコールは体内の水分バランスや自律神経にも影響を与えるため、寝ている間の心拍数や呼吸が不安定になり、悪夢や不快な夢を見やすくなることもあります。
同様に、眠りの質や夢の見え方に影響を与える薬を服用している場合も、悪夢や鮮明な夢を見ることで、夜中にうなされるケースが少なくありません。
夜驚症やレム睡眠行動障害などの睡眠障害
激しいうなされ方が見られる場合は、夜驚症やレム睡眠行動障害など、特定の睡眠障害が関係している可能性があります。
夜驚症は子どもに多いとされる状態で、寝入りから数時間以内の深い眠りのタイミングで突然暴れたり、泣き叫んだりするのが特徴です。
レム睡眠行動障害は、浅い眠りの時間帯に夢の中の行動を実際の体の動きとして表に出してしまう状態で、寝ている本人も夢の内容を細かく覚えていることが多いとされています。
これらの睡眠障害は、本人だけでなく一緒に寝ている家族がケガをするリスクもあるため、ただうなされているだけと片付けるのは危険なケースもあります。
うつ病や不安障害などの精神疾患
うつ病や不安障害などの精神疾患は、夜中に何度も目が覚める、悪夢が増える、朝早く目が覚めてしまうといった形で睡眠のトラブルが現れやすくなります。
特にうつ病では、早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒とともに、悪夢を見ることが増え、起きたときに強い疲労感や罪悪感を感じる人もいます。
うなされるだけでなく、気分の落ち込みや意欲の低下、強い不安などのサインが続いている場合は、心療内科や精神科への相談を検討してみてください。
▶うつ病はどんな病気?特徴や重さごとの症状、なりやすい人の特性を紹介
▶不安障害とは?種類ごとの特徴や症状、治療法について詳しく解説
子どもが睡眠中にうなされる主な原因

子どもが夜中に泣き叫んだり苦しそうにうなされている姿を見ると、親としては放っておけない心配な気持ちになるはずです。
ここでは、子どもが睡眠中にうなされるときに考えられる主な原因について解説します。
夜驚症や混乱覚醒
子どもが夜中に激しくうなされ、翌朝に本人がほとんど覚えていない場合は、夜驚症や混乱覚醒と呼ばれる状態が関係している可能性があります。
これらは深い眠りのタイミングで起こりやすく、脳の一部だけが中途半端に目覚めてしまうことで、強い恐怖反応や混乱した行動として表に出てしまうと考えられています。
突然泣き叫んだり暴れたりしますが、多くは数分程度で自然に落ち着き、その後は再び眠りにつきます。
特に就学前から小学校低学年くらいの子どもに比較的よく見られ、成長とともに自然と頻度が減っていくケースが多いとされています。
夜驚症については下記の記事で詳しく解説しています
発達段階による脳機能の未熟さが影響
子どもの睡眠は、大人と比べてまだ発達の途中にあるため、脳機能の未熟さが原因で寝相が激しくなったりうなされることがあります。
特に3〜8歳頃は、言葉や感情、記憶の処理能力が伸びる時期で、日中に経験した出来事や感情を、夜の睡眠中に一生懸命整理している最中となります。
この整理のプロセスで脳が一時的に混乱したような状態になり、夢と現実の境目が曖昧になると、うめき声が出たり寝ながら泣いたりすることがあります。
ただし、発達の遅れやてんかんなど別の病気が背景にある場合もあるため、いつもと違うと感じたときは、早めに専門家へ相談することが大切です。
うなされるときに見られやすい症状

睡眠中にうなされているときは、外から見て分かりやすいサインがいくつかあります。主なサインは以下の通りです。
- 寝言やうめき声が増える
- 苦しそうな表情で寝ている
- 手足をばたつかせる
- 布団を蹴る、払いのけるなどの激しい動き
- 寝返りが多く、落ち着きなく体勢を変え続ける
- 突然起き上がり、何かから逃げるような仕草をする
- 夜中に何度も目が覚める、中途覚醒が増える
- 日中に強い眠気や集中力低下、イライラなどが目立つ
こうしたサインがほぼ毎晩のように現れる場合は、睡眠障害や心の不調など、何らかの問題が隠れている可能性があります。
うなされる状態が続くときは、具体的な様子や頻度、翌日の体調などを整理しておくと、対処法を考えたり受診の判断をするうえでも役立ちます。
今すぐできるうなされる夜の対処法

うなされて目が覚めたとき、もう一度眠れる気がしないと感じると、それ自体が不安になりさらに眠りにくくなります。
ここでは、うなされる夜の対処法について詳しく解説します。
目が覚めた直後にできる落ち着き方
うなされて目が覚めたときは、体と心の興奮状態を落ち着かせたうえで、現実に意識を戻すところから始めてみてください。
4秒かけて鼻から息を吸い、6秒かけて口からゆっくり吐く深呼吸を数回繰り返すと、自律神経のバランスが整いやすくなります。
また、布団の中で体に力を入れてから脱力する動きを数回行うのも、こわばった筋肉をゆるめるのに役立ちます。
再入眠しやすくなるための環境づくり
うなされて起きた後に再び眠りやすくするためには、部屋の照明をできるだけ暗めに保ち、スマホやテレビからは一度距離を取ることが大切です。
うなされて目が覚めると、布団の中でスマホを触ってしまう方が多いですが、強い光や情報量の多い画面は脳を覚醒させ、再入眠を難しくする原因になります。
どうしても眠れないときは、白湯をゆっくり飲む、軽くストレッチをするなど、リラックスできる行動を10〜15分ほど行うのも一つの方法です。
悪夢を見て起きたときのメンタルケア
悪夢を見て起きてしまう方は、夢の内容と自分の価値を切り離して考えることが大切です。
悪夢を見る自分はおかしいと決めつけるのではなく、「それだけ今の自分が頑張りすぎているサインかもしれない」と受け止めてみてください。
また、起床直後に夢の内容を紙に書き出したり、スマホのメモに打ち込んだりするのも、頭の中を整理するうえで役立ちます。
うなされるのは病気のサイン?受診を検討すべきケース

うなされること自体は、必ずしもすぐ病気と結びつくわけではありませんが、頻度や症状によっては受診を検討したほうがよいサインになることがあります。
特に以下のサインが頻繁に出ている場合は、受診を検討したほうがよいと考えられます。
- ほぼ毎晩うなされる状態が1か月以上続いている
- うなされ方が激しく家族が見ていて不安になる
- 本人や家族がケガをしそうな危険がある
- 夜中に何度も目が覚めて日中の眠気や集中力低下が続いている
- 悪夢で同じつらい場面を何度も繰り返し見る
- うなされているときに呼吸が止まったように見える
受診を考える目安としては、睡眠の問題が日中の生活にどれだけ影響しているかをチェックしてみることが大切です。
ただし、たとえ上記に当てはまるサインが一つもなくても、うなされる状態や睡眠の質が生活に影響していると思えば、受診を検討しても全く問題ありません。
重要なのは一人で抱え込まないことです。決して我慢せず、早めに専門医の意見を聞くことで早期解決の道が見つかるかもしれません。
うなされる夜がつらいと感じる方は専門医へご相談を
睡眠中にうなされる状態は、悪夢や一時的なストレスで起きることもあれば、睡眠障害やうつ病など、心身の不調が背景にある場合もあります。
大切なのは、怖い夢を見ただけと片づけず、頻度や期間、うなされ方の激しさ、日中の眠気や気分の落ち込みといったサインを一度整理してみることです。
うなされる夜が続き日常生活にも支障をきたしていると感じる方は、一人で抱え込まず、早めに医療機関へ相談することが安心して眠れるようになる第一歩になります。
うなされる夜が続いてつらい、悪夢を繰り返し見るなどの悩みがある方は、『かもみーるこころのクリニック仙台院』にご相談ください。
いきなり対面は不安という方には、オンライン診療も受け付けております。うなされる夜に不安を感じる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
