睡眠薬はオンライン診療でも処方してもらえる?薬の種類・受診のメリット・保険適用について解説

投稿日 2026年06月17日

オンライン診療向精神薬
blog_image

不眠症の症状でお悩みの方の中には、病院まで足を運んで診察を受けるのが大きな負担に感じられる方も多いでしょう。

スマホやパソコンを使って自宅から受診できるオンライン診療であれば、わざわざ病院まで行かずとも薬を処方してもらえます。

ただし、オンライン診療で処方可能な薬には制限があるため注意が必要です。

この記事では、オンライン診療で処方可能な睡眠薬の種類について解説します。

オンライン診療を利用するメリットもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

睡眠薬はオンライン診療でも処方できる?

向精神薬以外の睡眠薬は、基本的にオンライン診療の初診でも処方可能です。

ただし、処方にはいくつかの条件や制限があります。

オンライン診療で処方される代表的な薬としては、デエビゴやベルソムラ、ロゼレム、ルネスタなどが挙げられます。

これに対し、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は依存性や乱用のリスクが高いため、オンライン診療では初診時の処方が禁止されております。

また、オンライン診察の初診では、患者様の過去の病歴、薬歴が明らかな場合を除いて、処方日数は7日に制限されます。

*マイスリーはベンゾジアゼピン系ではありませんが、厚生労働省により平成12年に向精神薬に指定されています。

参照)麻薬、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令の一部を改正する政令並びに麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令の施行について

厚生労働省の指針により「オンライン診療の初診での向精神薬の処方は禁止」とされており、該当薬が必要な場合は対面診療での受診を医師が指示することとなります。

このようにオンライン診療でも睡眠薬は処方可能ですが、初診時に処方できる薬の種類及び日数には制限があります。

オンライン診療でも保険が適用される?

保険診療に対応しているオンライン診療であれば、診療代や睡眠薬の処方は保険適用となります。(セカンドオピニオン等は除く)

ただし、オンライン診療においては保険診療費に加え、別途通信費(システム利用料)がかかります。

料金について気になる場合は、オンライン診療を受ける前にクリニックに確認しておきましょう。

オンライン診療の初診で処方可能な睡眠薬の種類

オンライン診療の初診で処方可能な睡眠薬の種類として、以下の5つが挙げられます。

  • デエビゴ
  • ロゼレム(ラメルテオン)
  • ベルソムラ
  • ルネスタ(エスゾピクロン)

ここでは上記4つの睡眠薬の特徴について解説します。

デエビゴ

デエビゴはオレキシン受容体拮抗薬に分類される薬で、覚醒を促す神経伝達物質『オレキシン』の働きを抑えることで自然な眠りを促進します。

主に入眠障害(寝つきが悪い状態)に効果があり、不眠症の治療によく用いられています。

副作用としては、眠気が翌朝まで残ることや悪夢、睡眠麻痺(金縛り)、頭痛、めまい、体重増加などが報告されています。

また肝臓や腎臓の機能に問題がある人は使用に注意が必要です。

デエビゴは従来のベンゾジアゼピン系と異なる点が多く、依存や離脱症状のリスクが比較的少ないとされています。

そのため長期間使用した場合も、薬の服用を中断した場合に激しい離脱症状が出る心配が少ない点が特徴です。

ロゼレム(ラメルテオン)

ロゼレムはメラトニン受容体作動薬に分類され、体内時計を調整するホルモン『メラトニン』に似た働きをする薬です。

自然な眠気を促すことで入眠や熟睡をサポートする効果があり、特に寝つきの悪さや早朝覚醒などのリズムの乱れが原因の不眠に適しています。

副作用には眠気や頭痛、倦怠感、めまいなどがあります。

ベンゾジアゼピン系のような依存性はなく、長期間使用しても比較的安全とされている薬です。

ただし効果が現れるまでに2〜4週間ほどかかる場合があるため、即効性を求める方には不向きかもしれません。

自然な睡眠サイクルを取り戻したい人に適しています。

ベルソムラ

ベルソムラもデエビゴと同じく、オレキシン受容体拮抗薬に分類されます。

覚醒を維持する神経伝達物質オレキシンの働きをブロックすることで、睡眠状態へスムーズに移行させる効果があります。

依存性は低く、特に中途覚醒(夜中に何度も目覚めてしまう状態)に悩む人に処方されることが多い薬です。

副作用には、眠気が残ることや悪夢、頭痛、疲労などがあります。

またCYP3A4という酵素で代謝されるため、ほかの薬との相互作用に注意が必要です。

例えば抗真菌薬やマクロライド系抗生物質などを同時に服用している場合は、ベルソムラの血中濃度が上昇し、副作用のリスクが高まることがあります。

ルネスタ(エスゾピクロン)

ルネスタは非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に分類され、脳の神経活動を適度に抑えることで、自然な入眠を助ける薬です。

即効性があり、入眠困難のある人に向いています。

また作用時間が短いため、翌朝に眠気が残りにくいという点も大きな特徴です。

ルネスタは独特の苦みがあるため、服用直後に不快感を覚えることがあります。

そのほか、健忘、眠気、頭痛、めまいといった副作用も見られることがあります。

従来の睡眠薬よりも依存性が低いとされていますが、長期使用や過量使用には注意が必要です。

なるべく少量かつ短期間での使用が推奨されます。

オンライン診療の初診で処方できない薬の種類

オンライン診療の初診で処方できない薬の種類として、以下の4つが挙げられます。

  • マイスリー(ゾルピデム)
  • レンドルミン(ブロチゾラム)
  • サイレース(フルニトラゼパム)
  • ハルシオン(トリアゾラム)

ここでは上記4つの薬についてそれぞれ解説します。

マイスリー(ゾルピデム)

マイスリーは非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬ですが、作用機序や依存性のリスクが一部ベンゾジアゼピン系と似ているため、初診でのオンライン処方は制限される傾向にあります。

主に入眠困難に対して効果があり、服用後すぐに眠気をもたらす即効性が特徴です。

また作用時間が短いため翌朝まで眠気が残りにくく、日常生活への影響も少ないとされています。

しかし長期間の使用や過量服用により依存性が生じることがあり、安全面での懸念からオンライン診療の初診では処方対象外となることが多いです。

レンドルミン(ブロチゾラム)

レンドルミンは、ベンゾジアゼピン系に分類される短時間型の睡眠薬で、入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒といったさまざまな不眠症状に対応できる薬です。

作用時間が比較的短く、眠気の持越しが少ない特徴があります。

しかしその反面、ベンゾジアゼピン系に共通する依存性のリスクがあるため、注意が必要です。

サイレース(フルニトラゼパム)

サイレースは強力な睡眠作用を持つベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、重度の不眠症に用いられることが多いです。

入眠障害のみでなく中途覚醒や早朝覚醒にも高い効果を発揮し、一晩中眠れるようサポートしてくれます。

ほかの睡眠薬では効果が得られなかった場合に、サイレースが選択されることがあります。

ハルシオン(トリアゾラム)

ハルシオンは、ベンゾジアゼピン系のなかでも特に作用時間が短いタイプの睡眠薬で、寝つきが悪い人に対して処方されることが多い薬です。

持続時間が短いため、翌朝まで眠気が残りにくいメリットがあります。

ただし強い依存性があり、医師の厳密な管理のもとで使用する必要がある薬のため、いずれもオンライン診療の初診では処方が禁止されている薬です。

オンライン診察の再診の場合は、過去の当該医療機関で対面診察を受けたことがある方に限り、これらの向精神薬を処方してもよいことと定められております。

オンライン診療の初診で処方できない薬がある理由

オンライン診療の初診では処方できる薬に制限があります。

その理由は主に「安全な使用のため」「なりすまし・不正行為防止のため」の2つです。

安全な使用のため

特に向精神薬や麻薬など、依存性や副作用のリスクが高い薬については、厚生労働省の指針により処方が禁じられています。

これは患者さんの安全を確保するための措置で、不正利用や健康被害のリスクを未然に防ぐためのものです。

向精神薬は適切に使用すれば有効な治療薬ですが、依存性や副作用があり、安易な処方が問題となるケースもあります。

オンライン診療では対面での診察と違い、表情や話し方、全身の様子などを直接確認することが難しく、患者さんの状態を正確に把握するのが困難です。

そのため、初診での向精神薬の処方は避けるべきとされています。

なりすまし・不正行為防止のため

オンライン診療には、なりすましのリスクもあります。

本人確認が不十分な場合、他人が偽って診療を受け、薬を不正に入手してしまう可能性が否定できません。

依存性の高い薬は転売や乱用の対象となりやすいため、こうした不正行為を防ぐためにも、初診での処方は原則禁止とされているのです。

さらに初診時には患者さんの既往歴や現在服用している薬の情報が十分に揃っていないことも多く、薬の相互作用や重篤な副作用のリスクを正確に判断するのが難しくなります。

これらの理由からオンライン診療の初診では向精神薬やベンゾジアゼピン系薬剤など一部の薬の処方が制限されており、対面診療が求められるケースもあります。

オンライン診療で睡眠薬を処方してもらうメリット

オンライン診療で睡眠薬を処方してもらうメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 通院にかかる時間や交通費を削減できる
  • 院内での待ち時間を削減できる
  • 遠方にあるクリニックでも受診できる
  • 薬が自宅に届く
  • 依存性が低い

ここでは上記5つのメリットについてそれぞれ解説します。

通院にかかる時間や交通費を削減できる

オンライン診療は、通院にかかる時間や交通費を削減できるメリットがあります。

対面診療では病院までの往復時間に加え、交通費や駐車場代、さらには仕事や家庭とのスケジュール調整も必要になりますが、オンライン診療ではこれらの負担が一切発生しません。

特にクリニックが自宅から遠い場合や、交通手段が限られている地域に住んでいる方にとっては、大幅な時間と費用の節約になります。

電車やバスを乗り継いで受診していた方にとっては、1回の診療で数千円の節約になることもあります。

睡眠薬のように定期的な受診が必要な場合は、この差が積み重なって大きな負担軽減となるでしょう。

院内での待ち時間を削減できる

オンライン診療では、対面診療で発生しがちな院内での待ち時間を削減できます。

病院やクリニックでの診察では、予約をしていても待ち時間が発生することが珍しくありません。

診察の順番を待つ時間や、会計、処方箋の発行、薬の受け取りなどで合計1時間以上かかるケースもあります。

忙しい日常のなかで、これらの時間が大きな負担に感じられる方も少なくないでしょう。

その点、オンライン診療であれば、ほとんど待ち時間なく診察を受けられます。

診療が終わればすぐに普段の生活に戻れるため、時間を有効に使えるのも魅力です。

特に仕事や家事、育児で自由な時間が限られている方にとって、待ち時間がないことはメリットといえるでしょう。

遠方にあるクリニックでも受診できる

オンライン診療では、自宅の近くに専門医がいない場合でも、自分に合った医療機関を選んで受診できます。

例えば不眠治療に詳しいクリニックが都市部に集中している場合でも、オンラインであれば全国どこからでも診察を受けられるのです。

また複数のクリニックを比較して、自分に合った診療方針や対応をしてくれる医師を選びやすくなる利点もあります。

病院を転々とする必要がなくなり、希望する医師の治療を継続的に受けやすくなる点もオンライン診療ならではのメリットです。

薬が自宅に届く

オンライン診療では、処方箋を自宅に配送する場合と、オンライン診察後にオンライン服薬指導を受けて薬が自宅に郵送で届く場合とがあります。

後者に対応した医療機関であれば、調剤薬局へ足を運ぶ手間がなくなり、処方箋の有効期限や薬局の営業時間を気にする必要もありません。

診察後は自宅で待つのみで薬を受け取れるため、体調がすぐれないときにも安心して治療を続けられます。

特に睡眠薬のように定期的に処方される薬については、毎回薬局に行く手間が省けるのはメリットでしょう。

ただしクリニックによっては薬ではなく処方箋のみが郵送される場合もあるため、その際は近くの薬局に足を運ぶ必要があります。

薬の受け取り方法について事前に確認しておくと安心です。

依存性が低い

オンライン診療では向精神薬の処方に制限があることがデメリットである一方、「薬漬けになりずっと通院をし続ける」といったリスクなく、安心して治療に臨むことができるとも言えます。

不眠症に対しては認知行動療法のアプローチが有効であるケースもあるため、診察時に医師と相談しながら、依存性の低い処方薬+認知行動療法といった流れで、治療効果を高めることも可能です。

睡眠薬はオンライン診療でも処方してもらえる

オンライン診療は、通院の負担を軽減しながら不眠症の治療を続けられる便利な診療方法です。

睡眠薬も一部制限があるものの、オンライン診療で処方してもらうことが可能です。

向精神薬や依存性の高い薬は原則として初診での処方が認められていないため、その点についてはあらかじめ理解しておきましょう。

かもみーるでは、精神科医による睡眠障害のオンライン診療にも対応しています。

また心理士によるカウンセリングにも対応しているため、不眠症状でお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。

▶︎カウンセラー(医師・心理士)一覧はこちら

▶︎新規会員登録はこちら